スマートグリッドとは、気まぐれな自然エネルギーを有効的に活用できるようインテリジェント化された電力網のことだ。。

 さて、いきなり脱線しよう。
スタートレック映画の、「スタートレック4:故郷への長い道(THE VOYAGE HOME)」をご覧になられたことがあるだろうか?
筆者はSF映画が好きで、中でもスタトレが大好きで、その中でもこの4が最も気に入っている。最初見たときは、何これ? SFじゃない?と感じたものだ。それというのも、カーク達が20世紀のサンフランシスコにやってきて、どたばたとコミカルに街中を歩き回るのだ。そして、鯨のカップルを捕獲して23世紀に連れ帰り、地球を救う。
 物語の始まりはかなり唐突で、宇宙の果てから正体不明の異性人がやってきて、海にいる鯨と交信しようとする。その影響で海は気化を始め、大気には雲が満ちる。そして、23世紀の主たるエネルギー源である太陽光が使えなくなってしまう。地球全体で太陽エネルギーの最適利用をしているようだが、地球全体が曇り空になってしまっては、エネルギーが枯渇してしまう。
 カーク達の時代には地球規模でのスマートグリッドがあったに違いない。
と、脱線から復帰できた。

 自然エネルギーの代表格は太陽光だが、風も面白い。
筆者の住む地方では山おろしの風が強く、台風なみの風がしばしば吹く。一度、車を降りたとたんに眼鏡を吹き飛ばされてレンズが割れてしまったことがある。ここで自然エネルギーを活用するなら風だなーと常々思っている。とは言っても、あの大きな風車は願い下げだ。低周波騒音以前に頭の上のそういうのがあるのはつらい。人を威圧せず、存在を意識させない風車が必要となってくるだろう。それができれば電柱の上にこっそりと載せてしまって、電柱の数だけミニ風力発電所ができて、それをスマートグリッドに接続する。いいとは思わないか?!

 海に囲まれた日本では自然エネルギーとしては、海流や潮流とかも面白いのではないだろうか?海底に巨大な施設を作るのではなくトロール網のように海底に流す。これも小さなものをこつこつとたくさん作るのがよい。
 いわゆる、水力発電にしても、ダムが必要だという先入観をまずは除けないか? 川に流す形で発電する網のような水力発電機。しかも、劣化したものは自然に分解してなくなる。各発電網はスマートグリッドに接続されているので、生きている発電網からのみエネルギーを集めれられる。
 
 ところで、電力網をインターネットになぞらえている人たちがいるようだ。この発想はとても面白い。そのシステムには電力ルーターなるものが存在していて、上流と下流の間の電力バランスを調整したり、下流内部での相互のやり取りを調整したりするらしい。
 LANのスイッチングハブや、ルーターにはメモリが搭載されていて、情報を格納し必要なときにパケットとして、送信する。このメモリにあたるものが、電力ルーターでは電池やキャパシターになる。情報とエネルギーが対応する訳だ。
 現在の電力網は並列の世界だ。ACコンセントの右側は部屋中のACコンセントの右側につながっている。これをLANのようにスター状に接続するものにしたらどうなるだろうか? これを便宜的に「電力LAN」と名づけよう。電力LANはエネルギーの伝送のみならず、情報もやり取りできればいい。
 想像してみて欲しい。手元のフォトフレームをこの電力LANに接続する。同時に窓につるした太陽電池パネルもここに接続する。家の中にある電力LANルーターが適宜、窓辺で発電されたエネルギーをフォトフレームに送り、余ったら蓄積し、外部に売電までやってのける。

 さらにこんなSF的妄想も膨らむ。
情報はパケット化されることではるかに扱いやすくなり、インターネットの世界を生み出した。エネルギーをパケット化して扱うことはできないのだろうか?
それができれば、まさにオンデマンドでエネルギーの受け渡しが可能になる。インターネットを行き交う情報のように、エネルギーが世界中をパケットの形でやり取りされるのだ。エネルギーサーバーに蓄えられたエネルギーや、発電サーバーのエネルギーをアドレスを指定することで、自宅で利用できる。自宅で発電したエネルギーをサーバーにアップロードする。
 カークの暮らす23世紀はこういう時代なのではないだろうか? その時代では、あの野蛮とも言える高圧鉄塔はなくなっているに違いない。

 こういう具合にまずはイメージを膨らませた。
今後、スマートグリッドの米国特許調査を開始する予定だ。
暗い時代に明るい夢を探してみたいと思う。

門伝也(もん でんや)
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2009.11.15 Sun l スマートグリッド l コメント (0) トラックバック (0) l top

 俗に言うSemiconductor-Xを探そうというシリーズだ。

 筆者がかつて属していた日本半導体業界は今や、斜陽産業と言ってもいい状況かもしれない。
多くの企業が工場を手放し、ファブレス路線を取ろうとしている。
そのため多くの優秀なプロセスエンジニア達が行き場を失いつつある。
自分の経験や知識、知恵を伝えようにも伝える相手が国内にいない。

 プロセスエンジニア向けの大きなテーマとしては、
1:脱シリコン
2:+X
の二つがあるように思える。
1つめは、有機半導体など脱シリコンの流れだ。
そして二つ目は、シリコン以外の物質や構造とシリコン半導体の融合だ。
(さらに遠い未来では、1と2が合体しているかもしれない。)

 本シリーズは2の+X路線を探るものだ。
手がかりは大学特許だ。
大学の先生は、学会活動などを通して視野が広い。
好奇心が知恵の源泉であり、新規でなければ研究テーマにならない。
そういった人たちが半導体X的に何を考えているかを探る。
 用いる資料は、筆者が編集に参加している、「大学米国特許調査2009」だ。

 さて、「大学米国特許調査2009」では、6つの分野に分けて、分類集計を行っている。
バイオ、化学、医療系。
計測、電気系。
コンピュータ通信系。
素材系。
半導体系。
ナノテクノロジー系。
の6つだ。
今回は半導体系の資料を用いる。
Xとして、化学を見てみよう。
すなわち、「半導体ー化学」デバイスを大学特許に探してみようという訳だ。
この資料では、特許的有力大学が米国分類からみて、どういう分野にどういう特許を持っているかが一目でわかり、なおかつその詳細情報にハイパーリンクを使って容易にアクセスできるようにしている。
すなわち、森(全体)と木(詳細)の間を容易に行ったり来たりできるわけだ。

 資料の米国分類CCL=204:化学を見てみよう。
M大学は、20件の特許の譲受人(特許成立時の保有者)になっている。その20という数字をクリックすると特許リストが現れる。
分子ベースマイクロデバイス的名称を持つ特許が並んでいる。
デバイスの中で化学変化がおきるのだろうか?
特許番号をクリックすると、書誌情報が現れさらにアブストラクトをクリックすると、アブストラクトが現れる。
左側に英文。右側に機械翻訳だが日本語がある。
ざっくざっくと見ていく場合には、日本語がありがたい。
"The properties of these devices can be controlled by molecular-level changes in electroactive plymer components."
と記載されている。
しかも、
ダイオード、トランジスターなどを含んでいるとある。
ここまでたったの4クリックだ。
図面を見ると分子式がある。

やった。半導体Xをひとつ見つけた

 さて、ここからは優秀な日本の半導体デバイス、プロセスエンジニアの出番だ。
湿度、温度による劣化がないか?
温度変化によるストレスで、ケミカル層がおかしなことにならないか?
などなど、色々と気になってくる。
さらに、回路技術者には
周辺回路技術に必要なものは何か?
という疑問がわくはずだ。

 ここで提案をしたい。
半導体Xを探し、その実現に必要な技術に関する特許ブレーンストームを行って欲しい。
これは、かつて企業で半導体エンジニアであった筆者からの心からのお願いだ。きっと未来につながる

 優秀なエンジニアを抱えながら、彼らにリストラにおびえ定年を待つだけの人生を与えることは社会的な損失だ

 経営陣の英断を期待する。

おまけ。
1:動画も投稿している。
http://www.youtube.com/watch?v=THbPE-nF1A0&feature=channel

2:ブログ読者には特別にこのURLをお知らせする。
先ほど見つけた半導体Xの図面があるGOOGLE PATENTSへのURLだ。



門 伝也(もん でんや)
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"univ_2009_pro" ここをクリック。
   ブレストの役にきっとたつ。








2009.11.02 Mon l semiX l コメント (0) トラックバック (0) l top

 前回は、トヨタをITCに提訴したペイス社の特許について調べた結果を報告した。
今回は、そのペイス特許群の唯一の筆頭発明者であるS氏の特許について調べた。
 なお、ブログに先立ち動画版を作成してアップロードしている。
URLは
http://www.youtube.com/watch?v=JZtW2eOr770&feature=channel
だ。ご覧いただけると嬉しい。

 S氏の特許群を解析して以下の点が明らかになった。
●サラリーマンからベンチャーを起業されたようだ。
一人発明者の時代に技術の種を仕込んだ。
●電力変換技術から電気自動車関連へと重心を移動。

 S氏はV社でサラリーマン時代をエンジニアとして過ごした。
電力変換関係、DCコンバーターなどを開発されていたようだ。
1987年から1989年ごろのことだ。

 当時の連名発明者には、Rさんが2人いる。
ちゃんと同僚がいるエンジニアだったようだ。

 そして、1990年ごろに起業。
個人発明家の時代だ。このときは発明者は一人。すなわち、自分だけだ。
技術の種の仕込み時期だ。
先発明主義を採る米国では、この頃を、発明が為された時期であると判断される可能性もある。
今から、20年近い過去だ。戦うトヨタ側としては嫌な数字だ。

 1997年頃、ペイス社を創業。
ハイブリッドカーに集中して特許対策を行っている。
他の分野では一切特許的な活動がない。そして、それ以降も特許らしい特許は出ていないようだ。
執念をむき出しにして一人の男が特許明細書を練りに練っている。
そんな姿が目に浮かぶ。

 さらにAssignment queryを使って権利移動を確認してみると、
かなり複雑な動きをしている。
 権利が移動できるということは、その特許に価値があると認める人たちがいるという証だ。
価値がないと誰もが思う特許は、誰も買わない。
S氏を買っている、認めている人たちがいて、お金を出している。
 
 また、V社時代の特許は、最終的には、スマートグリッド関連企業に移っているようだ。
これも詳しく見る価値があるかもしれない。

 資金調達のためだろうか?
特許が複数の個人と思われる人たちに譲渡されている。
担保?出資の見返り?
ところが、特許の管理の窓口は依然、ペイス社だ。
これはうまいやり方かもしれない。
お金を出す側にとって、ペイスがつぶれてしまっても特許が残る。
単なる出資だったら、株は紙くずになるだけだ。

 S氏についての筆者の個人的な感触は、
敵にするよりは味方にしたい」タイプだ。
アメリカンドリームを体現するべく、脱サラ起業だ。
一人で黙々と技術開発。名前のスペルからみると、移民系かもしれない。
裁判の時、陪審員の心を打つ言葉を弁護士はつむぎ出せたはずだ。
 でも、味方にするのは難易度が高そうだ。
お金を出している人がたくさんいそうだからだ。

次回は、「トヨタエンジニアとS氏の攻防」を特許から探ってみたい。
お楽しみに。

門 伝也(もん でんや)
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また、今回のブログを書くにあたって作成した中間データを筆者が管理するポータルサイトに置いています。ぜひ、合わせてご覧ください。
宣伝:

知りたい? 世界の頭脳の行方と、御社のビジネスの接点を。
        大学米国特許調査プロ版販売開始 (監修、編 : 門 伝也)




2009.10.23 Fri l ハイブリッドカー l コメント (0) トラックバック (0) l top

ハイブリッドカー米国特許調査(1)の動画版をYouTubeに投稿した。
URLは
http://www.youtube.com/watch?v=bmStHddM8Zo

活字をモニターから拾うのにお疲れな方はお試しあれ。

 これからの予定としては、トヨタのハイブリッドカー特許も調べようかと思っている。
お楽しみに。

門 伝也(もん でんや)
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2009.10.18 Sun l ハイブリッドカー l コメント (0) トラックバック (0) l top
「特許侵害:ITCがハイブリッド車めぐりトヨタの調査開始」(毎日新聞)
 
 次はトヨタのハイブリッドに乗りたいと思っている筆者にとっては他人事ではないニュースだ。
「訴えているのはハイブリッド技術を扱うペイス社」(毎日新聞)とある。
ペイス社について調べてみたくなる。もちろん米国特許を通してだ。
 とはいえ、スペルが分からないことにはスタートできない。ITCのホームページからスペルはPaiceであることが判明した。
http://www.usitc.gov/press_room/news_release/2009/er1006gg1.htm

 検索をかけると特許の件数は10件程度だ。
発明人口はわずかに2人。筆頭発明者にいたっては1人だ。
この筆頭発明者をS氏と呼ぶことにする。

 筆頭米国分類を見ると、わずか3つに集約されている。
CCL/180/65.23、
CCL/180/65.27、
CCL/180/65.28
の3つだ。

 トヨタのこの米国分類における特許件数はどうなっているのだろうか?
調べてみると、























 米国分類  Paice  TOYOTA
 CCL/180/65.23  5件  4件
 CCL/180/65.27  1件  64件
 CCL/180/65.28  4件  87件

となっている。
CCL/180/65.23はトヨタの弱点なのだろうか?


米国分類の定義を見てみる。
ちょっと長くなるが、米国特許庁にある定義を引用する。
65.23 Switching type (IPC):
This subclass is indented under subclass 65.225. Subject matter wherein a series or parallel drive mode can be either selected by a user or is changed automatically.
これは65.23が62.225の下位分類と言っている。
65.225 Series and parallel (IPC):
これも、65.22の下位分類だ。
65.22 Specific vehicle architecture (IPC):
これもまた65.21の下位概念とのことだ。
65.21 Hybrid vehicle
とハイブリッドカーがようやく現れた。

 逆に読んでいくと、180/65.23は、ハイブリッド車で車のアーキテクチャーに関するもので、直列と並列を切り替えるもので、直列にするか並列にするかをユーザーが選択できるか自動切換えが可能なタイプということになる。

 ここまで読んでハット記憶がよみがえった。
「初代のプリウスは軽自動車に抜かれた」という逸話だ。
初代のプリウスが出たときにディーラーを訪ねたら、営業マンはあまりお勧めではないという気配だった。要するに「加速が悪い」という話だった。
 その後、プリウスは大きな進化を遂げた。
「ハイブリッドシナジードライブ」というコピーだ。
加速が必要なときに、エンジンとモーターが協調して加速を生み出すあれだ。それを聞いた時は、また、欲しいと思った。プリウスの室内高がもう少しあったらきっと衝動買いしていただろう。(いや、財布がついていかなったかな?)

 米国分類180/65.23ってまさかそのこと?
その技術分類で、PaiceはTOYOTAと互角なのか?
そんなはずはないだろう?!
いやー、分類コードの問題だけで、
CCL/180/65.27とかCCL/180/65.28に同等のものが入っているんじゃないか?
順番にやっていこう。トヨタの調査はこの次だ。

これは真剣に調べないといけない。。。。な。。。

 特許は群れを作る。群れを作ることで進化し、強くなる。群れ解析をやってみて愕然とした。Paiceの特許は群れがひとつしかないのだ。ひとつの特許を分割して10の特許となったようだ。

 さらに権利はクレームに宿る。
クレーム数の集計を行って、またびっくりした。
わずか10件の特許で総クレーム数が650近い。
その中でも7237634特許はなんと300を越えるクレームを抱いている。独立クレームは少なそうだが、それにしても300はすごい。
鬼気迫る執念を感じる。
 先行技術の引用数もただものではない数が並んでいる。
それら全てに反証して、特許をもぎとったということだ。
先行技術のリストを見ていると、日本勢のものも散見される。
特許取得段階から戦争があったと言えるだろう。

http://www.business-i.jp/print/article/200909050088a.nwc
によると、
 「ペイスは2005年にも、同社特許を利用したトヨタのハイブリッド車、「プリウス」、「ハイランダー(日本名クルーガー)」、「レクサスRX400h」の特許侵害をめぐり、民事訴訟を起こした。ペイスの訴えが認められ、トヨタには430万ドル(約3億9000万円)の損害賠償が命じられたが、販売差し止め要求は却下された。」
とのことだ。
 でも、この特許群では、出願、特許権利化、訴訟費用を考えると3億円程度はあっというまに吹っ飛んでしまっているんじゃないかとS氏に同情的にもなる。よくある「儲かったのは弁護士だけ」の世界か。

 ちなみにS氏を発明者とする特許はさらに10件程度ある。そのうちのいくつかには、譲受人がいない。
そう、発明者が手元に残している特許がまだあるようだ。
これらについては次回また調べようと思う。

 なんだか、映画のシナリオが書けそうな話だ。

元エンジニアとして、トヨタ車のユーザーとして、
ハイブリッドカーを欲しいと思っているものとして、
トヨタを応援している。

頑張れトヨタ!

門 伝也(もん でんや)
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2009.10.10 Sat l ハイブリッドカー l コメント (0) トラックバック (0) l top