2003年頃に書いた文章の使いまわしですが、面白いかもと転載します。
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私は半導体出身ですが、今、半導体産業そのものに魅力を感じません。
「ユビキタスネットワーク」という言葉が昨今、はやりですが、それについても、
昔は、感動を覚えたのですが、今は、あまり響くものがありません。
地下鉄の中で、メールを打っている人が増えたように、深夜番組をホームサー
バーで録画したものを、携帯の画面で速送りで見ている人が増えるだけじゃない
かって思ったりします。
私は現在、キャッチコピー「命を救う半導体」を目下、宣伝中です。
なぜ、このコピーにたどりついたのか?なぜ、このコピーを宣伝しているのかを
振り返って検証してみたいと思っています。
この1年、「セルボニクス特許探検隊」を毎週発行するために、かなり苦労し
ました。最初は、自分のテリトリーである半導体からはじめようと思ったのです
が、「新しいものをかじってみたい」という想いから、まずMEMSについて調べて
みました。MEMSが登場した時に見た、シリコン基板上で動くモーターやアクチュ
エーターの映像の記憶が頭に残っていたからでもあります。また、有名なT社の
DMDの映像も頭にありました。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020606.html
アナログデバイシズのジャイロスコープの特許を見つけたときに単純に面白い
と思いました。そして、その半年後に、この製品化の話がWEBに登場し、何か
預言者のような気分になったのを覚えています。
そのMEMSの調査の際に、あるエンジニアを発見しその生き様に感動しまし
た。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020711.html
彼の行き付く先には間違いなく、リソ工程の革命があると感じました。
すなわち、ステッパーがインクジェットプリンタに置き換わる時代です。
ここらあたりから、次第に半導体から離れていってしまいます。
フォトニック結晶について調べました。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020822.html
RFへの応用が期待されることを確信しました。またMEMSによるアダプティ
ブアンテナを組み合わせると、半導体チップ上にイージスシステムが多数寝てい
る状況が見えました。
ネタに困った私は、昨今話題のバイオ系に触手を伸ばし始めました。
まず、バイオインフォマティクスに目をやりました。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020905.html
「バイオインフォマティクス関連の明細書の図面を見ていると、
見慣れたコンピュータ関係の図面やフローチャートがあるかと思うと、
遺伝子などの配列の図面や、解析時にもちいるグラフなどが混在して現れます。
学際というのはこういうところ(場所)を言うのだろうなと漠然と感じます。」
というふうに、私にとってのフロンティアを感じました。
そして、とうとうDNAシリーズに手を出してしまったのです。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020912.html
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020926.html
さらに、魔界「遺伝子操作生物」に入り込んでしまったのです。
米国では、「人間以外のすべての生物」が特許の対象になるのです。
「。。。。のねずみ」という具合です。
さらにネタに困った私は、シリーズものをはじめました。
大学の保有する米国特許について調べてみようと思ったわけです。
件数の多い大学をピックアップして、さらにそれらの大学について過去20年の
特許を調べました。
MIT:http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030213.html
Stanford: http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030320.html
カリフォルニア大学http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030327.html
テキサス大学http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030403.html
KAIST:http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030417.html
CALTEC:http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030424.html
まとめ:http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20030508.html
結果は、衝撃的でした。
●「米国のハイテクは、すでに大々的にバイオにシフトしている。」
という確信でした。
半導体にルーツを持つものとして、無力感を感じました。
「このまま、『時代遅れの半導体』に固執していかないと生きていけないのか?」
自問しました。
そんな時です。だらだらと深夜番組を見ているとスタートレックの映画をやっ
ていたのです。思わず見入ってしまいました。ドクターマッコイが使っている医
療機器に目を奪われました。額に当てるだけで、脳内の血栓が除去できる小さな
機械。これはMEMSアレーアンテナでできる!と直感しました。
飲むだけで透析が不要になる錠剤。これは、数ミクロン角からなるケミカル、
MEMS半導体チップ(粉チップ)でできる!とも思いました。む、電力は??
RFでは無理だ。コイル径が小さすぎる。その時、以前調査したとこのある燃料電池が思い浮かびました。
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20021024.html
粉チップの電源としては、燃料電池が有効じゃないかと思えました。
地下鉄に乗って、以上のことをうつらうつら考えていると、ふっと、
キャッチコピー「命を救う半導体」が浮かんできたのです。
半導体事業を未来に導くキーコンセプトではないかと感じています。
最近、知的財産権に興味を持っている若い学生さんから、
『知財で未来を設計する』という素敵な言葉を教えていただきました。
「命を救う半導体」という未来イメージを知財から設計できないだろうかと考
えています。その設計の際に、特許情報が活用できると確信しています。
門
ブログサイトにも載せました。
なお、特許業界・知的財産業界情報トップスを今後リンク集などに加えていただくようなことがございましたら幸いでございます。
今後もよろしくお願い申し上げます。
リンクを追加させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。