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 HTCの反撃が始った。
2010年5月12日にAPPLEをITCに提訴した。
武器は下記の5件の特許だ。

7716505 Power control methods for a portable electronic device
6999800 Method for power management of a smart phone
6320957 Telephone dialler with easy access memory
6058183 Telephone dialler with a personalized page organization of telephone directory memory
5541988 Telephone dialler with a personalized page organization of telephone directory memory

 ここで7716505(以降、505特許と略記)はなんと、提訴の日の前日に成立したばかりだ。
そのため、訴状のコメント欄にも、「未だ特許のコピーは受け取っていないので、付属資料にも含まれていない」とまで記載されている。
恐るべきスピード感だ。きっと、資料だけは先に作ってあって、そこに決まったばかりの特許番号を書き入れたのだろう。ちなみに担当している法律事務所はワシントンにあるようだ。


 ここで、まず、注目したいのは、505特許ではなくて、
6058183と5541988だ。
これらは同じ発明者によるもので、
成立したのは、May 2, 2000 とJuly 30, 1996 だ。意外と古い。
そして、特許成立時には、譲受人がおらず発明者が権利の保有者だ。
権利移動の履歴を見てみる。
6058183特許は何度かの転売を繰り返されて、2009年5月にHTCの特許となっている。
5541988特許も同じで、同じ、2009年5月に同じ転売社から最終的にHTCの特許となっている。
6320957特許も全く同じ流れだ。
dialler関連は特許流通を手がける業者から一括して購入したと言うところだろう。
昨年の今頃に、なにやらきな臭い気配があったのかもしれない。


 残る2つの特許はHTCの社員による発明のようだ。
7716505は2003年5月に台湾で出願されている。
6999800は2002年10月に同じく台湾で出願されいる。

 ITCに提出された訴状によると、505特許のクレーム1から3の権利を侵害しているとHTCは主張している。この特許のクレームは全部で4つあって、2から4はクレーム1の従属クレームだ。
すなわち、クレーム1を潰されると全滅する。

 800特許では1-3,4,6, 10, 11, 14, と 15を侵害しているとのことだ。これも明細書を見てみると、クレーム1の従属だ。

下記のリンクhtc_vs_apple_201005にも関連情報があるのでご覧いただきたい。

門伝也(もん でんや)




What's new. May-16-2010
organic_semiconductor patents REPORTDB / basic part

htc_vs_apple_201005 patents REPORTDB / basic part













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2010.05.17 Mon l りんご l コメント (0) トラックバック (0) l top

 さて、前回のエントリーでは特許成立時の譲受人名と特許番号からアップルがITC特許群と法廷特許群を分けた理由を考察した。
 ITC提訴という最初の矢を速攻で放ち、次に、2の矢である「裁判」をちらつかせる。
というのがアップルの作戦だ。

 さて、今回のエントリーでは米国特許分類に注目して、ITC特許群と法廷特許群の特徴を調べてみよう。

 米国特許分類には主分類と副分類がある。このうち、大雑把な話だが主分類の番号が若いほど、古い分類であり、
番号が大きいほど新しい分類であると考えてもよい。新しい技術が古い主分類の中で副分類として成長すると、
そこで新たに大きな主部類が割り当てられるというイメージだ。
 例えば、
http://www.uspto.gov/web/patents/classification/selectbynum.htm
のページで002をクリックすると、
Class 2 APPARELと出てくる。
さらに、このページから977がNANOTECHNOLOGYであることも分かる。
ナノテクノロジーなんて言葉は、20年前にはあったかなかったか?
あったとしても、一般的ではなかっただろう。

 この観点から、ITC特許群と法廷特許群を眺めてみると面白いことが分かる。
ITC特許群に現れる主分類は、
702、704、707、709、710,713、714となる。
これに対して法廷特許群の主分類は、
250,340,345,348,370,375、381、713、715となっている。
米国特許分類で700番台は、デジタル系だ。これは、狭義のIT技術をイメージすればだいたいあっている。

 ITC特許群は、新しい主分類の中に集まっている。
また、前回述べたように、その技術起源は古い。
これは、まさに、「パイオニアワーク」を象徴しているのではないだろうか?
新しい中での「古い」なのだ。

 法廷特許群を見てみると、実は10件中、5件が米国特許分類700番台にもいる。
その内、4件の譲受人はAPPLEだ。特許の成立年は、2008年が2件、2009年が1件。
さらに、2010年、今年になって成立したものが1件含まれている。
とてもHOTな特許達だ。
 その中の2010年成立特許についてさらに詳しく見てみよう。
特許番号:7657849
特許の題名:Unlocking a device by performing gestures on an unlock image.

題名の機械翻訳:実行することによって、デバイスを解錠することは、アンロック像に身振り
をする。

何か、ピンと来ないかだろうか?

 筆者は、今年の初めに携帯をiPhoneに代えた。
その時、お店で戸惑ったのが、ロックの解除だった。
それまでの携帯にはロックの専用ボタンがあって、それを押して、ロック、アンロックを行っていた。ロックの解除だと思って右上のボタンを押すと、見慣れぬバーのような、表示が現れた。
「え。。。」と言っているとお店の人が、「右にスライドしてください。」とすかさずアドバイスをくれた。
タッチしたまま、右にずりずり。「ホー」と筆者は関心してしまった。

 まさに、この特許ではあるまいか?
権利はクレームに宿る。
請求項1を見てみると。
===特許7657849のクレームから引用===日本語は機械翻訳のため参考のみ==
What is claimed is: 【特許請求の範囲】
1. 【請求項1】
A method of controlling an electronic device with a
touch-sensitive display,
接触検出ディスプレイを有する電子デバイスを制御する手段、

The above comprises the following: 上記は、以下を含む:
detecting contact with the touch-sensitive display while
the device is in a user-interface lock state;
デバイスがユーザー- インターフェース・ロック状態において、
ある間、接触検出ディスプレイを有する接点を検出すること、

moving an unlock image along a predefined displayed path on
the touch-sensitive display in accordance with the contact,
接点に従って接触検出ディスプレイ上の定義済み表示されたパス
に沿ってアンロック像を動かすこと、

wherein そこにおいて、
the unlock image is a graphical, アンロック像は、あるグラフィック、
interactive user-interface object with which a user
interacts in order to unlock the device;
ユーザーがデバイスを解錠するために相互に作用するインタラク
ティブのユーザーインターフェース・オブジェクト、
transitioning the device to a user-interface unlock state
if the detected contact corresponds to a predefined
gesture;
検出接点が定義済み身ぶりと一致する場合、ユーザー- インター
フェース・アンロック状態にデバイスをtransitioning すること、
and maintaining the device in the user-interface lock state
if the detected contact does not correspond to the
predefined gesture.
そして、検出接点が定義済み身ぶりと一致しない場合、ユーザー
- インターフェース・ロック状態のデバイスを維持すること。
===引用終了===

となっていた。

最後に、図面をみると、代表図にまさにそのまんまの図面があった。

 筆者は、iPhoneを購入した時に、
「これから、タッチパネルの場合は、ロックの解除はこうなるのかー」
と素直に受け取ってしまった。
 しかし、それは特許技術なのであった。

 新しく産まれた特許は、実は、か弱い。りんごのエキスを吸いながら成長しようとしていくだろうが、死んでしまう可能性も高い。
849特許君、力強く生きろ。



門伝也(もんでんや)

なお、バックエンドサイトもご覧ください。
こちらの方に情報の集約、見える化を行って行く予定です。

拙著:PDF文庫はこちら。



2010.03.24 Wed l りんご l コメント (0) トラックバック (0) l top

 アップルがHTCを「訴えた」件、ニュースやブログサイトでも話題だ。
例えば
「アップル、iPhone関連特許侵害でHTCを訴える」
http://japanese.engadget.com/2010/03/02/iphone-htc/

同URLから引用---------------------------------
「携帯電話界隈での裁判沙汰といえば近頃はノキアとアップルの訴訟合戦が話題ですが、
今度はアップルがHTCを訴えました。iPhoneのユーザインタフェース、アーキテクチャ、ハードウェアに関連する
20の特許を侵害したというのがアップルの主張です。訴状はデラウェア州、および米国際貿易委員会(ITC)に提出済。」
--------------------------------------------
とのことだ。
どういう特許でどういう具合に訴えたのか興味のあるところだ。
幸い、上記の記事には訴状へのリンクが貼ってある。
それを元に特許明細書を入手して解析を試みた。

 リンク先の資料によるとITCへの提訴の際に使われた米国特許は、下記の10件だ。
5481721、5519867、5566337、5929852、5946647、5969705、6275983、6343263、5915131、RE39486

 他方、裁判所に持ち込まれた特許群は下記の10件だ。
7362331、7479949、7657849、7469381、5920726、7633076、5848105、7383453、5455599、6424354

双方10件づつ、合計20件だ。

 これらを見てまず気づくのは、
●両者に重複がない。
●裁判に持ち込まれた方には、比較的最近成立した特許が多い。ということだ。
裁判特許群には、7、xxx、xxxで始る特許が6件含まれているのに対して、
ITC提訴分には1件も含まれていない。

 一般に古い特許ほど強い。特許をつぶそうとする場合は、
特許が出願された以前の先行文献を探し出して、それを元に反証を行う必要がある。
 パイオニアワーク的な特許をつぶそうとすると、担当者は苦労する。
探すのが困難なのだ。技術の概念も用語も統一されていない。
また、特許分類そのものが明確でないことも多い。

 また、ITCの結論の方が訴訟よりも早いという話をしばしば聞く。
そのため、最近では、まず、「ITC提訴」ということを行うようだ。
古い特許ばかりでITC提訴群を固めたのは、より早い結論を引き出すということを期待している現われではないだろうか?
ITC提訴という最初の矢を速攻で放ち、次に、2の矢である「裁判」をちらつかせる。
うまいやり方だ。りんごの本気度も感じる。

 ITC提訴特許群だけをピックアップしてみると、
技術起源としては1990年代前半に遡る。
もうすぐ、20年になろうとする昔だ。
 成立時の譲受人として、NeXTコンピュータの名前が見える。
その他、
Object Technology Licensing Corp
Taligent Inc
というちょっと耳慣れない企業が名前を連ねている。
検索してみると、比較的簡単にヒットして、いずれも、アップルとIBMの間に生まれたベンチャー企業だ。
まさに、新しいテクノロジーのゆりかごになった場だ。

 ITC提訴特許群は近い将来に特許期限が切れそうな特許で固めていると言うのは、
少し意地悪な見方ではあると思うが、正しい推定だろう。
 それに対して、法廷提訴特許群の内6件は、技術起源が今世紀に入ってからのものだ。
法廷で勝訴もしくは、勝訴に近い和解を勝ち取ることができれば、
今後、長い間、他社に対する睨みになるのだろう。

門伝也(もんでんや

なお、バックエンドサイトもご覧ください。
こちらの方に情報の集約、見える化を行って行く予定です。



2010.03.16 Tue l りんご l コメント (0) トラックバック (0) l top

 特許は成長する。分割、継続というステップを経て、より強く大きく、特許群となる。特許を「群れ」として把握することはとても重要だ。特許群として近い関係にある特許をまとめて見ることで把握が容易になる。効率があがる。得したような気分になる。膨大な特許件数にたじろがなくて済む。
 さらに、特許を書く側、出願する立場の場合は、いい特許群をお手本として、特許対策を推進できる。
 また、権利侵害交渉などで守る立場になった場合は、群として把握し、分析することで、対策も立てやすくなる。
  
 今回は、「ジョブズ(特許的)チルドレン」による特許を群として解析していこうと思う。

 手がかりは明細書にあるParentCaseTextと呼ばれる部分だ。そこにはその特許の由来が記載されている。いつ出願された特許を親として、分割したとか、その元の出願はさらにこれこれになったとか。そういったことが記載されている部分だ。そこを見て関連する特許を束ねていくことができる。そして束ねた特許を群として把握することで、より深い解析を行うことができる。
 分割や継続出願を行うのには多くのリソースを要する。弁理士費用、対応するエンジニアの工数、さらにブラシアップのための議論をする時間。だが、多くのリソースを費やしてもなお強固にしたいアイデアがあるということだ。裏を返せば、リソースを費やした特許には自信がありかつ今後も重要であると当事者達が考えているということを示している。ParentCaseTextを解析する意義はそこにある。

 その作業をやってみると、ふたつの群があぶり出される。
 今日はそのうちのひとつであるUS6819550を含む11件の特許からなる特許群を見て行こう。(以降550特許群と呼ぶ。) そのうち3件の特許でジョブズが名誉ある筆頭発明者となっている。発明者の数、連名者数は意外と多くて9人から18人だ。群としての総クレーム数は約300。古いものでは2001年に出願(ファイル)されており、最近のものでは2006年に出願されている。技術起源はいずれも2001年に遡る一連の特許群だ。
 まず、図面を見て驚いた。あのマックの横顔だ。丸いお椀を伏せたような本体。そこから斜め上方に延び、液晶パネルをしっかりとささえる支柱。そうか、このマックの為の特許なんだ。
 この支柱のことを明細書では可動アセンブリ(moveable assembly)と呼んでいる。
この可動アセンブリ(支柱)が特許群の主題だ。
 特許明細書に目を通し始めて違和感を感じた。細かなパーツの図面が多々ある。寸法をいれるだけで、そのまま試作に出せそうな図面達だ。普通、特許明細書では概念図というかポンチ絵的なものが多い。どうも違う。なぜ、そこまで厳格に図面を記載しているのだろうか? 色々と思いを巡らせたあげく、ある仮説に到達した。それは、
偽物対策のために、命であるデザインを特許で守ろうとしているのではないかという仮説だ。
だとすればこれだけの労力をかけて特許群を整備していることに合点が行く。
 デザインを守るためには、日本では意匠制度を利用するのが普通だ。米国ではデザイン特許という制度がある。だがこの特許群は通常の技術的な枠組みでの特許だ。
 意匠制度では似ているかどうかで侵害かどうかが判断される。ところがこの「似ている」という判断は主観的でやっかいだ。国によっては判断基準に大きく隔たりがありそうだ。「似ているかどうか」ではなくデザインを実現するために不可欠な要素を抽出してそれを特許で押さえる。そんな戦略ではないだろうか?
 振り返ってみると、昔、i-MACだったか、一体型のマックがあった。それが出てすぐに、そっくりさんのWindowsマシンがぞろぞろと出てきた記憶がある。その経験から来る戦略だろうか?

 内容を確認していこう。
この図に示している球体のつながりが可動アセンブリの肝となる部分だ。この球体の内部に配線を通すことで見栄えがよくなる。デザインへのインパクトが大きい。
 日本の特許出願ではこの部分だけを出願することを推奨されるに違いない。権利の取得が容易で、発明の単一性の観点からも有利だ。なのにあえてコンピュータシステム全体として特許を取得しようとしている。この図に至ってはリンゴ印までついている。コンピュータ全体のデザインとして保護したいという想いの表れだろう。

<<続く>>

門 伝也 (もん でんや)
ブログサイトにも載せました。



プロフ





2009.06.26 Fri l りんご l コメント (0) トラックバック (0) l top

 ご存知、アップルコンピュータ
その米国特許調査から、リンゴの行方を探ってみようという企画だ。
調査対象は、特許権利者名としてappleを含む米国特許で、調査期間は1980年から2008年まで。対象となる特許は約2500件だ。

 
 スティーブジョブズ:「Stay hungry, stay foolish.」
YouTubeで公演を聴いたが、感動を覚えた。そうありたいものだと思う。

 まずは、その人から見ていこう。
Jobs;StevenPとかJobs;Steveで特許上は名前の記載がある。
セミコロンの前が家族名、後が個人名だ。ここでPはミドルネームの略称だ。
『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、PはPaul:ポールのようだ。

 脱線するが、このミドル名が調査では意外とやっかいだ。記載があったり無かったり、略だったりそうでなかったり。あまりがっちりと、"Jobs;Steve"とフルネームで検索したりするとはずしてしまう。やわらかく、つぶさぬようにヒットさせるのがコツだ。
彼の場合は、Jobsと家族名で検索するのがよかろうかと思う。

 さて、今回は特に人間関係に注目して技術の動向を調べよう。
ジョブズの薫陶を受けたエンジニアがその後どういうイノベーションを開いていったのか?
興味深いところだ。

 特許明細書には、発明者の記載が必ずある。これがない特許はない。存在しない。
これは、発明の元となるアイデアは人間の脳みそにしか産まれないという確信の現れだ。
発明者欄に法人が記載されることはない。法人著作があるのに対して、法人発明がないのは特許制度の優れた点ではないかと思う。この点は、日米どちらの法律でも同じだ。
 それに対して、特許権利者に法人はなれる。特許権を実効的に支配できる権利だ。
発明は、人の生の脳みそに産まれ、成長し、特許権となる。この特許権(特許を受ける権利)は譲渡が可能だ。権利者は発明者からそれを譲り受けた人や法人だ。そのため、米国特許では、権利者のことを、譲受人(assignee)という。ちなみに、譲り渡し人のことは、assignorだ。
 筆者の「assignor と assignee」という記事にも記載があるのでご覧いただきたい。

 特許明細書の発明者欄には、発明者が記載されている。
そこから技術的な人間関係を探ることができる。
最初に記載されている人は筆頭発明者と呼ばれる。通常、発明の主要な部分をなした人と解釈される。何らかの理由で発明者全員を記載できないときは、「筆頭発明者名、その他」と書かれることが多い。「筆頭」は名誉あるポジションなのだ。

 いい発明を為すためには議論できる相手がいることが望ましい。強い特許権を確保するためには、色々な側面から議論することが必要だ。アイデアを膨らませ、権利としての抜けを減らす。そういう楽しい作業だ。
 その議論を通じて、人は人に影響を与える。彼のインスピレーションはどこからくるのか? そんなことを考えたりもする。

 さて、そろそろ本筋に戻ろう。

 当該期間中にジョブズを発明者として含む特許は20件弱ある。
それらの特許に発明者として記載されているエンジニア達は、特許を出願する際に直接ジョブズと議論を戦わした「特許的ジョブズチルドレン」と考えていいだろう。多々、刺激を受けた恵まれた人たちだ。

 この特許的ジョブズチルドレンは約40人いる。このエンジニア達が発明者として係わった特許(チルドレン特許群とする)について、特許数でTOP3のエンジニアをあげると、
1:M.D. 22 patents
2:A.B. 21 patents
3:K.S. 12 patents
となる。
 なお、個々のエンジニア名はプライバシーの問題があるかもしれないので、ここではイニシャルだけとさせていただく。

 さて、チルドレン特許群とはどういう特許なのだろうか?
いちいち特許の中身を見て分類しているととても大変なことになる。
そういう労力に応えるために米国特許分類というものがある。
これはひとつの特許に複数の分類コードを割り当てて、検索、調査が便利になるようにしているものだ。この分類のうち最初に割り当ててられているものを筆頭米国分類と言って、その特許がおおざっぱに何について記載されているものかを示すと考えられる。チルドレン特許群についてこの筆頭米国分類を調べて集計してみると、

715:DATA PROCESSING: PRESENTATION PROCESSING OF DOCUMENT, OPERATOR INTERFACE PROCESSING, AND SCREEN SAVER DISPLAY PROCESSING
:14件

361:ELECTRICITY: ELECTRICAL SYSTEMS AND DEVICES
:14件

345:COMPUTER GRAPHICS PROCESSING AND SELECTIVE VISUAL DISPLAY SYSTEMS
11件

がTOP3だ。上記はメインクラスと呼ばれる分類であって、それらはさらにサブクラスという分類によって分けられている。

上記の715のメインクラス中で最も多いのは、4件あって
715/723 For video segment editing or sequencing:
となっている。

これらの実際の特許の題名を見ると
User interface for presenting media informationと同じであって、
内容をみると、QuickTime関連のユーザーインターフェースに関する特許であるようだ。

 さらに上記メインクラス361で最も多いのはサブクラス679.06となっている。
これは、
361/679.06 Display rotatable about plural axes:
となっている。
特許の題名はいずれも
Computer controlled display device.
となっている。

チルドレン特許群の主題は、アップルの真髄であるユーザーインターフェースであるようだ。まさに、ジョブズの知を引くエンジニア達だ。

<<続く>>

門 伝也(もん でんや)

ブログサイトにも載せました。










2009.06.15 Mon l りんご l コメント (0) トラックバック (0) l top