今回の調査ではもっぱらCMOSイメージセンサーの応用面を探ってみよう。
特に医療関係が、値段の買い叩きもなさそうで、興味深い。
米国分類600番台あたりを見ていくことにする。
今回の調査ではもっぱらCMOSイメージセンサーの応用面を探ってみよう。
特に医療関係が、値段の買い叩きもなさそうで、興味深い。
米国分類600番台あたりを見ていくことにする。
今回は、裏面照射型CMOSイメージセンサーに関する米国特許調査結果を見ていくことにしよう。
裏面照射とは、従来のイメージセンサーでは、LSIのメタル配線のある側から光を入れていたのに対して、ウェーハー側から光を入れてしまおうという発想の技術だ。まさに逆転の発想。利点は、フォトダイオードに入る光の量が増えて感度があがる、暗いところでもきれいに撮れる、などである。
なぜ、フォトダイオードに入る光の量を増やすことができるかと言えば、実は、従来のCMOSイメージセンサーの光を感知するフォトダイオードは、言ってみれば、井戸の底にいるのだ。井戸の壁は、配線だ。配線の隙間を縫って光を検知器に送っている。これが微細化に伴ってますます、深ーーい、井戸になってきている。裏面照射とは、井戸の裏側、地球側から光をいれようという技術だ。そのためには地球を薄い膜状にしないと光は井戸の底には入ってこない。真っ黒な大地に掘られた井戸の底にある光検知器に光を入れるために、地球を薄く削ってやるのだ。ちょっと大げさな比喩だが、技術の逆転度を感じていただけるだろうか?
裏面照射に係わる米国分類は、257/228、257/447、257/460 あたりにあるようだ。
製品化ではオムニ社やソニーが有名だが、この分類には、それら以外の譲受人(権利者)が現れている。なにやらきな臭い。
筆者が米国分類を元に作成したリストを以下に載せるのでお楽しみあれ。
なお、データの全体入り口は、
筆者が管理する「米国特許調査、分析ポータルサイト」にある。
続く
門 伝也(もん でんや)
ブログサイトにも載せました。
以下リスト(URL)
http://usp-analysis-portal.com/cmos_image_sensor_andnot_active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_228.html
http://usp-analysis-portal.com/active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_228.html
http://usp-analysis-portal.com/cmos_image_sensor_andnot_active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_447.html
http://usp-analysis-portal.com/active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_447.html
http://usp-analysis-portal.com/cmos_image_sensor_andnot_active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_460.html
http://usp-analysis-portal.com/active_pixel_sensor/htm/CCL_pri_year/ccl_257_460.html
続きなどはPDF文庫で
CMOSイメージセンサー米国特許調査を開始した。
2003年ごろにも、一度調査を行ったことのある対象だ。
当時は、Active Pixel Sensorというキーワードをメインにして調査を行った。
今回も、まずは同じキーワードでスタートしたのだがどうも件数が少ない。
そこで、CMOSイメージセンサーそのものをキーワードにして検索してみた。
2003年以降、「CMOSイメージセンサー」という言葉は含むが、「アクティブピクセルセンサー」という言葉を含まない(!)特許が急増している。
言葉、用語は文化を表す。多くの多様なエンジニア達が、CMOSイメージセンサーの分野に参戦し始めているようだ。どういうアプリケーションを彼らは夢見ているのだろうか?
アクティブピクセルセンサーという用語を含む特許群をCMOS1、CMOSイメージセンサーという用語は含むが、アクティブピクセルセンサーという用語は含まない特許群をCMOS2とする。これらの2つの群、各々について筆頭発明者で分類してみる。用語の選択権はおおむね、筆頭発明者にあるだろうと期待されるからだ。
特許件数でTOP10の筆頭発明者を選び、それらの発明者にどれだけ重複があるかを見てみる。重複がなければ、10+10=20人の発明者となる。
結果は2名の発明者が重複していた。一人は、S氏だ。筆者も過去に紹介したことのある、自分の名前を冠したベンチャーを起こされた方だ。
他方は、R氏、所属はM社だ。
S氏の場合、CMOS1群の特許、約160件で筆頭発明者となっている。
CMOS2群の方では、約20件だ。
S氏の特許を、筆頭米国分類で分類しなおしてみると、
347:プリンター関係がほとんどだ。
CMOSイメージセンサーを機器の中で使う話だ。
他方、R氏の場合は、CMOS1群で約80件、CMOS2群で約30件となる。
同じく、筆頭米国分類で分類しなおしてみると、
257:半導体デバイスがほとんどである。内容を見てみても、イメージセンサーの開発者であることが分かる。
面白いことにR氏の場合は、2003年あたりを境にアクティブピクセルセンサーという用語から、CMOSイメージセンサーという用語に重点を移しているようだ。このころから、CMOSイメージセンサーという用語が一般に浸透し始めて、それに合わせて特許を書くようになったのだろうか?
続く。
門 伝也(もん でんや)
ブログサイトにも載せました。
続きなどはPDF文庫で