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UNIV_JP_AN  日本の大学、研究所の米国特許、もしくは、日本企業がからんだ海外の大学、研究所の米国特許

INV       研究者に注目
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2008.11.30 Sun l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
大学 特許シリーズ
MIT筆頭米国分類     やっぱりバイオ(435)、でも光関係(359,372)も目立つ

INV              研究者に注目


2008.11.29 Sat l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
このたび、CNETジャパンでブログを書かせていただく機会を得ることができました。
本家であるここのブログにも同じ内容(+アルファ?)を投稿して行きたいと思っています。
http://japan.cnet.com/blog/yamada/2008/11/28/entry_27018255/
にあります。
では、お楽しみください。

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第1回 もっとも貪欲な技術文書

●はじめまして。門 伝也(もん でんや)です。
ペンネームです。

 25年のエンジニア経験をベースに科学技術ジャーナリスト、ライターへの転進を目指しています。
「科学技術立国:日本」の行方を心配中

 米国特許を切り口に色々と考えたこと、調べたことを発表していきます。
関心のある分野は、半導体、ナノテクノロジー、バイオ、医療機器、エコ、コンピュータ
などです。


 2001年から、米国特許調査を行って、各企業様に情報を提供していました。
今回、個人として、それをさらに噛み砕いた形で、より広い層に、メッセージを込めて送りたいと思っています。

 技術の切り出し口として、米国特許を選んでいます。
これは、もっとも貪欲な技術文書であると思っているからです。
ビッグマネーにつながる技術の動向が込められています。
米国特許を取得するには、多額のお金と多くの時間をとられます。
それでも、その企業や、個人の将来のために、多くの努力が払われます。
それらを浮き彫りにすることで、社会の未来像が見えてくるはずだと考えています。

●「特許審査ハイウェイ」は諸刃(もろは)の剣(つるぎ)
 今後、特許庁の提唱する「特許審査ハイウェイ」によって、米国特許が、より容易に日本特許になるようになります。その意味でも、知財先進国である米国の動向を把握することは重要です。
 特許庁のホームページには、
「特許審査ハイウェイの目的・概要
 特許審査ハイウェイは、出願人の海外での早期権利化を容易とすると共に、各国特許庁にとっては第1庁の先行技術調査と審査結果の利用性を向上し、審査の負担を軽減し質の向上を図ることを目的としています。
 特許審査ハイウェイは、第1庁で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申出により、第2庁において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組みです。」と記載されています。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/patent_highway.htm
 上記の第1庁は、日本の特許庁でもあるし、米国特許庁でもあります
まさに、諸刃の剣です。


エンジニアは楽しいか?自分の子供をエンジニアにしたいか?
 技術立国日本を実現するには多くの課題があります。
人、物、金、知財!です。特に人と知財の2点で、危機感を覚えています。
理系離れ。非正社員の問題。知財戦略。
いずれも、長期レンジで恐ろしい話です。

 多くのエンジニアの友人に「自分の子供を(積極的に)エンジニアにしたいか?」と尋ねると、首をかしげる人がほとんどです。苦労が多い割りに報われず、そして、最後は「使い捨て」。そう感じている人も多いのではないでしょうか?そう感じているお父さんたちを見ている子供たちが、エンジニア以外の人生の選択肢を選んだとしても、責める気にはなれません。
 
 派遣、請負にまつわる非正社員の問題も深刻です。
多くの企業の開発現場で起こっているのではないかと思うのですが、正社員は「手配師」になってしまって、実際の実務的な開発業務は、非正社員が担っている。
この状態で、景気が悪くなったからといって、派遣を切ると何が起こるでしょうか
正社員の人たちは、技術力があることになっているので、派遣切りに反対できません。まして、会社の上層部が決めたことに逆らえるはずもありません。切られた派遣の人達は、仕方なく職種を変えます。その結果、微妙な開発ノウハウは、忘れ去られることになります。この次に、景気が回復して、開発を加速、重点化しようにも、オイル切れの状態では、無理があります。見えてくるのは開発起因の市場不良対応に忙殺される悲しきエンジニア達です。

 知財戦略についても怪しいと感じています。
もちろん、数社の先進的な企業はあります。それらの会社は、(肉食)欧米企業と血みどろの戦いをして、それから多くのことを学んだ会社です。でも、その他の多くの企業は、餌となるべくしているのではと思えます。
 そこに、前述の「特許審査ハイウェイ」です。
特許庁もそのことを危惧しているためか、有益な資料を公開してくれています。

戦略的な知的財産管理に向けて
-技術経営力を高めるために-
知財戦略事例集
http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/chiteki_keieiryoku.htm

これは、精読したいと思っている資料です。
ぜひ、ご覧ください。

米国特許から学びたいもの
 米国特許を群として見ていくと色々なことが見えてきます。
知財戦略に対する強い意志を感じることが多々あります。
また、人に注目をすると、エンジニアの生き様まで見えてきます。
「あ、この人は楽しいエンジニア人生だったんだろうな」と思える人もいます。
それらを、微力ですが明らかにしていきたいと思っています。


今後の投稿について
まずは、自己紹介も兼ねて、以前にメールマガジンで発行していた記事に手を入れて投稿していきたいと考えています。読者数は200人ほどだったので、大部分の人には「新規」であると思っています。
 その間に新規のテーマの準備をしたいと思っています。
米国特許で見るマイクロソフトの動向(仮題)」とかは、ここの読者の方の関心が高いのではないかと考えています。その他、リクエストなどありましたら、コメントをお願いします。

ブログサイトの宣伝。
門 伝也(もん でんや)としてブログサイトを開いています。
こちらも米国特許調査を扱ったものです。
http://mondenya.blog49.fc2.com/
です。ぜひ、こちらもおいでください。

ではでは。




2008.11.28 Fri l CNET連動企画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
大学特許シリーズ
テキサス大学、筆頭米国分類    医療(424)、バイオ(435)、医療(514)、とくにDNA関係(435/6)が活発。


キーパーソン探しはこちらから。




2008.11.27 Thu l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
大学特許シリーズ
Stanford_CCL3    スタンフォード大学が見ている世界。圧倒的にバイオか?

Stanford_INV     スタンフォードの研究者に注目するならこちらから。





2008.11.27 Thu l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
brain_computing          米国特許調査にみる 脳型コンピュータ
2008.11.26 Wed l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
下記のリンクは、セルボニクスによる米国特許調査結果DBへの直接リンクです。

半導体設計技術関係、信号処理など   半導体はプロセスから、設計に付加価値が移ってきています。

2008.11.25 Tue l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
 最近の研究の動向を把握するためや、営業活動で、企業や大学関係者と接する
機会があります。その際、「産学連携」について色々なご意見をお伺いすること
があります。今回は、そのいくつかについてコメントも交えてご紹介いたします。



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 1:特許に対する価値観の違い
企業側の指摘:「ちょっとした特許、どんな特許でも製品に採用されれば大金になると考えている大学関係者が多い」 DVD、携帯電話、ICカードなど単一の特許で成立していない製品では、使われている特許1件あたりの価値は低くならざる負えません。なぜなら、この特許に1%、この特許に1%とロイヤリティを設定していくと、あっというまに利益どころか製造原価を超えてしまう可能性があります。特に現在の低価格化競争(狂走?)時代ではさらに厳しいものがあります。企業同士では、パテントプールというメカニズムや、単独クロスライセンス契約をつかって妥当なところに抑えようとする思惑が働きますが、大学(国)がからむと、なかなかそうはいかない。
 また、こんな指摘もありました。「素材の製法特許など、その製品に含まれる特許の数が少ないものは、製品単価にロイヤリティを付加すれば済む。大学は、大金を狙うなら、素材を重視すべき。」
 素材の製法はノウハウとも密接に関係しています。ノウハウも含めて企業側に技術移転をすれば、全てはまるく収まるのでしょう。
 では、当社が、重点調査テーマとしてあげている「ナノテク、半導体、バイオ、およびそれらの融合領域」ではどうなるのでしょうか?なかなか、うまい枠組みはありそうもありません。でも、枠組みにこだわっていては、どんどん欧米との(特許)格差が広がるのみでしょう。どんどん研究をし、どんどん特許を出し、そして企業ともめたら「訴えてやる!」にならざる負えないのでしょう。
 他方、早い段階から大学と良好な関係を築き、安いロイヤリティを設定してもらえた企業は優位な競争を展開できるとも思えます。
ここで、定理:「産学連携は大学、企業、双方の2極化を加速する。」証明は、省略。

2:特許の共有規定に関する不満 大学と企業の共同開発にかかわる共有特許の取り扱いについて不満を感じている企業人は非常に多いです。
 通常の企業間の共有特許の場合、お互いが実施するにあたりロイヤリティの支払いが発生しないことが多いです。ところが、大学(国)との特許の共有の場合は、大学(国)が特許を実施する(製品を製造する)ことがないことを考慮して、共有特許を共同研究企業が実施しようとする場合、大学(国)にロイヤリティを納めないといけないというのが通例になっています。これが、企業側が共同研究を行おうとする際の心理的障壁になっていると思われます。なぜなら、大学(国)は、ロイヤリティ収入がなくても、つぶれる恐れはなく、圧倒的に強い立場で、ロイヤリティ交渉に臨めるからです。(他方、IPベンチャーの場合は、ロイヤリティ収入がないと開発投資が回収できず、会社がつぶれる恐れがありますから、適当な値で妥協できる可能性があります。)また、大学(国)側の手続きに時間がかかるという懸念もあります。

3:「産学連携といえば上場企業との連携であると考えている大学関係者が多い。」
 これには、同感です。研究費をたくさん出してもらえる、文部科学省に報告するときに箔がつくなどあるかとは思いますが、。。(省略)。。
 「上場企業との産学連携」と「大学発のベンチャー」。発想的には水と油ではないかと、筆者は感じています。
 「大学発のベンチャー」がなかなかうまくいかない背景に「上場企業との産学連携」を重視する発想がないだろうかといぶかります。

4:産学連携の触媒としての特許情報
 大学と企業の知的財産権活動を比較すると大きく差があるのは、特許調査にまつわる部分ではないかと考えています。
 大学側の重要度は学術論文が最優先であり、特許はその次(の次)です。
企業では、圧倒的に特許情報の方が重要視されます。
 企業側はどのような特許が「痛い特許」かを実体験を通して把握しています。
ところが大学側では、把握できない。その結果、大きな価値観の相違が生まれてきます。
 産学連携をうまく進めるには、特許情報の把握のレベルを産と学の間で平準化することが必要です。特に金になる米国特許についてそれを行うことが重要であると思われます。(米国)特許情報は産学連携の触媒となりうると考えます。




2008.11.25 Tue l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
下記のリンクは、セルボニクスによる米国特許調査結果DBへの直接リンクです。

入り口                    ここからアクセスできます。調査期間に注意願います。
燃料電池     必須技術のプレイヤーを把握できます。



2008.11.25 Tue l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
下記のリンクは、セルボニクスによる米国特許調査結果DBへの直接リンクです。

入り口                    ここからアクセスできます。調査期間に注意願います。

太陽電池                 米国特許調査を通して開発動向が把握できます。
遺伝子操作生物のプレイヤー一覧  どういう企業がこの分野でアクティブなのかが推定できます。
CCDプレイヤー一覧           この分野でのアクティブ企業が見えます。
RF-MEMSプレイヤー一覧       この分野でのアクティブ企業が見えます。
DNAチップ関連企業一覧       プレイヤーを把握できます。

IBMの半導体プロセス協業       この分野の協業相手を推定できます。
                        ただし、時々刻々権利者は変わっている可能性があります。
ソニーの半導体プロセス協業      この分野の協業相手を推定できます。


2008.11.24 Mon l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
サイト名       説明
このブログTOP   ぜひお越しください。
USP 全文検索   成立済み特許の全文検索が可能。
USP 権利者情報  譲渡などによる権利者の変動はここでチェック
米国分類一覧    主分類一覧
米国分類INDEX   技術用語から米国分類を探す場合に便利
米国分類表      米国分類から技術情報を知るのに便利 



2008.11.23 Sun l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
サイト名称       説明
このブログTOP    ぜひお越しください。
「パテント窓」      豊富なリンク先。とてもコンパクト。

2008.11.23 Sun l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
サイト名称                 説明
このブログのTOP             ぜひ、お越しください
パテントサロン               知財関連のニュースはまずここでチェック



2008.11.23 Sun l LINKs l コメント (0) トラックバック (0) l top
 今回のテーマはフォトニック結晶に関してです。特に、フォトニック結晶と通
信の接点
を探ってみたいと思います。



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 物質中に周期的な規則構造を作り出すと、屈折散乱が何度も起こることで、ある波長の光を通さなくなるという現象が現れます。このような現象が発生する(人工的な)結晶をフォトニック結晶と呼んでいます。これを応用すると、ちょうど電子に対する半導体のように『光の半導体』が実現できることになります。半導体が産業に及ぼした影響を考えると『光の半導体』たるフォトニック結晶が将来の産業に与える影響の大きさが想像されます。

 特に高効率光ファイバー半導体レーザー光ICへの応用が期待されています。

 まず筆頭米国分類集計優先年表示を用いて全体的な傾向を把握していきたいと思います。
 多いものを見ていくと、385:OPTICAL WAVEGUIDES 、359:OPTICS、343:COMMUNICATIONS、372:COHERENT LIGHT GENERATORS などがあります。
光関係に件数が多いのは容易に想像できますので、裾野である343:COMMUNICATIONSを重点的に見ていきたいと思います。

5,389,943( February 14, 1995 )
Title:Filter utilizing a frequency selective non-conductive dielectricstructure
Assignee:Lockheed Sanders, Inc.:Massachusetts Institute of Technology:
 この特許は分割継続を遡ると技術起源が1991年に遡ります。ミリ波から赤外にわたる周波数選択フィルタに関するものです。
特徴的な構造としては、不導体、高誘電媒質を円柱状の形状にして2次元的に規則的に並べた構造になっています。入出力は両端に置いたコイルから行うようです。

Number(Issue):5,386,215( January 31, 1995 )
Title:Highly efficient planar antenna on a periodic dielectricstructure.
タイトル:周期的な誘電体構造上の非常に効率的な平面アンテナ。
Assignee :Massachusetts Institute of Technology:
 基板内に先ほどの特許と同様な円柱状の集合体があり、それに対して、基板上平面に形成されたアンテナがあり、そこから、基板内の周期構造に対して電波が照射されたり、吸収されたりします。「アンテナが高誘電率を有する半導体基板に、直接作られることが可能であるので、アンテナを含むモノリシック回路はアンテナと一緒のサブストレートおよびバンドギャップを形成する周期的な構成に組み込まれることができる。」とのことで、アナログRFを含むSOCにおいて有効であると思われます。

Number(Issue):5,541,613( July 30, 1996 )
Title:Efficient broadband antenna system using photonic bandgapcrystals.
タイトル:photonicなバンドギャップ・クリスタルを使用している効率的なブロードバンド・アンテナ系。
Assignee :Hughes Aircraft Company, Hughes Electronics:
 この特許は平面アンテナに関するものです。
フォトニック結晶を用いることによって、従来のアンテナと比べて広いレンジで高い電力効率を実現するものです。「バンドギャップが場所の関数」となるようにしてフォトニック結晶を作成し、それに対して入出力を行うことによって、より広い範囲での動作を実現するものです。

Number(Issue):5,541,614( July 30, 1996 )
Title:Smart antenna system using microelectromechanically tunable dipoleantennas and photonic bandgap materials.
タイトル:microelectromechanicallyな可変同調型ダイポールアンテナおよびphotonicなバンドギャップ材料を使用している鋭いアンテナ系。
Assignee :Hughes Aircraft Company:
 この特許は、周波数選択的なフォトニック結晶を含む半導体基板上にセグメント化されたダイポールアンテナを形成する。それらのセグメント化されたダイポールアンテナの接続を「MEMSスイッチを切り替える」ことによって、所望のダイポール・アーム長さおよびダイポール共振周波数を選ぶことができるというものです。
フォトニック結晶とMEMSが出会ったアプリケーションということができるでしょう。

Number(Issue):5,600,342( February 4, 1997 )
Title:Diamond lattice void structure for wideband antenna systems.
タイトル:広帯域アンテナ・システムのためのダイヤモンド格子ボイド構成。
Assignee:Hughes Aircraft Company:
 ダイヤモンド格子構造を、アレイアンテナ・システムのグランドプレーンとして使用するというものです。ここで、このダイヤモンド格子構造を反射板としてつかうことによって効率を高めることが可能です。このダイヤモンド構造は周期的な欠陥を有するフォトニック結晶からなっています。

Number(Issue):5,614,919( March 25, 1997 )
Title:Wire diamond lattice structure for phased array side lobe
suppression and fabrication method.
タイトル: フェイズドアレー・サイドローブ抑制および製作方法のためのワイヤーダイヤモンド格子構造。
Assignee :Hughes Aircraft Company:
 この発明はフェイズドアレーアンテナに利用するもので、金属的なメッシュ構造を形成することでサイドローブ抑制が可能になるというものです。そして、このメッシュ構造は、ダイヤモンド格子の炭素原子間のダイヤモンド格子ボンド・リンク構成をエミュレートしているそうです。



  探検隊長より

フォトニック結晶のことを始めて聞いたとき、その名前の通り、光デバイスの一種だと考えていました。
ところが、今回の通信との接点を探るというテーマでは、むしろRFとの強いつながりを感じました。
RFは波長の長い光ですので、あたりまえと言えば当たり前なのですが、
どうも技術者が心の中にもつ領分(壁)の違いか、そのようなフォトニック結晶を応用した
RF関係技術が開発されているということに一種の驚きを感じました。
 このフォトニック結晶を応用することで、アンテナまで含めてRF-SOCが現実
ものとなりえることを確信しました。今後の展開がとても楽しみです。








2008.11.22 Sat l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
自己組織化」という言葉をご存知でしょうか?
文字通り、「自分で」(勝手に)組織化されるということで、
組み立てなくても、勝手に物質などの方が構造を持ってしまうというものです
この自己組織化、微細なナノ構造を構築する際の有力な方法として注目されてい
ます。今回の探検隊レポートでは、この自己組織化の中でも半導体製造プロセス
デバイスに関係が深いものを
主として取り上げたいと考えています。



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 半導体プロセスデバイス関係に入る前にまず、全体的な傾向を筆頭米国分類から把握したいと思います。
 目立つものとしては359番:光学関係、382番:画像解析、424番:薬関係435,436番:化学関係、706番:データ処理があります。

 今回は、これらの中では裾野にあたる半導体プロセスデバイス関係438番を重点的に見ていきます。

 筆頭米国分類優先年表示のデータを見るといきなり、面白そうなものが引っかかってきました。Number(Issue)=5,561,071( October 1, 1996 )"DNA and DNA technology for the construction of networks to be used inchip construction and chip production (DNA-chips)."Priority:Foreign Application Priority Data Jul 24, 1989[DE]39 24 454.7というもので、「核酸および特定のDNA結合たん白質の使用による特定の分子の超小形電子回路の構造に関する。」です。どうも、DNAの微細な線を配線として利用しようとするもののようです。大変短い特許で図面が1枚しかありません。
個人の出願のようです。これがもし、LSIにおけるキルビー特許に相当するものになったら、「大当たり」特許なのかもしれません。

 次にカリフォルニア大学によるNumber(Issue): 5,545,291( August 13, 1996 )Title:Method for fabricating self-assembling microstructures.タイトル:自己集合超小型構造を作る方法を見ていきたいと思います。
これは、「流体トランスポートによるサブストレートの上へ超小型構造をアセンブルする方法。」だそうです。小さな箱形状のものが基板に開けた穴に、液体中を移動するうちに勝手にはまるもののようです。明細書には、基板に開けた穴というか仕切りの中にはまっている微小物体が写ったSEM写真があります。ちょうど、しきりに入ったお土産用のチョコレートか、もなかのようでもあります。
主たる用途としてはシリコン半導体上に、微小LEDや半導体レーザーを組み込むというような場合を想定しているようです。

 次にキヤノンによるNumber(Issue):6,214,738( April 10, 2001 )Title:Method for producing narrow pores and structure having the narrowpores,and narrow pores and structure produced by the method.を見ていきます。
 これは基板上に無数の規則正しく並んだ狭くて深い井土状の穴を形成する方法に関するものです。正方形の繰り返しや、三角形構造の繰り返しが可能なようです。機能性物質や、光応用デバイスなど多くの応用が可能だとのことです。粒子線照射と陽極酸化を組み合わせて実現しています。従来の自己組織化の方法による穴の形成方法の改良です。

 次にMITによるNumber(Issue):6,294,401( September 25, 2001 )Title:Nanoparticle-based electrical, chemical, and mechanicalstructures and methods of making same.を見ていきます。
 「本発明はプリントのようなデポジション技術による電子的で、化学的、機械的デバイスの製作方法に関する。」ものです。この技術を用いれば、ケミカルFETなるものを製造することができるとのことです。これは、MOSFETのゲート部分がBIOLOGICAL MATERIALになっているものです
例としては「オリゴヌクレオチドの場合、オリゴヌクレオチドの交雑を、検出できる。」が上げられています。このシリコン上層に堆積させる層をつくるときに、自己組織化の技術を用いています。

Number(Issue):6,300,156( October 9, 2001 )Title: Process for fabricating micromechanical devices.タイトル: micromechanicalなデバイスを作るためのプロセス。
Assignee:Agere Systems Optoelectronics Guardian Corp.:Lucent Technologies Inc.:
これは、ヒンジ(つなぎ部)を有するMEMSデバイスの製造方法に関するものです。
組み立てがSELF ASEMBLEであるもので主として光スイッチを想定して考えられているようです。共同権利者にルーセントが含まれています。

最後に日本の特許を紹介します。
Number(Issue):5,970,381( October 19, 1999 )Title:Method for fabricating organic thin film.タイトル:有機的な薄膜を作る方法。
Assignee:National Institute for Advanced Interdisciplinary Research:
これは、半導体基板上に良質で強固な単分子膜を形成するための方法です。
この単分子膜の形成が自己組織化を利用してなされるものです。「電子回路および光デバイス」の製造に利用できるとのことです。
自己組織化を用いて形成しなかった膜は、耐アルカリ性などの点で弱く複雑なデバイスを造ることができなかったのですが、本発明ではその点が改良されるとのことです。


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  探検隊長より

ナノテク、バイオと半導体技術の接点を探るというのがセルボニクスの特許調査の大きな
トピックスです。その意味で、今回の調査は非常に面白いものになったと思っています。
バイオ技術に関する特許では米国に大きく水を開けられていると言われる日本ですが、
半導体関連技術(者)の裾野の広さでは、米国に決してひけを取っていないと思います。
半導体業界の閉塞感を忘れ、積極的に、(個人レベルでも)学際、
境界分野に進出することで、未来が開けると思えます。






2008.11.21 Fri l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回のお話は「相変化型半導体メモリ」(Phase change memory)に関するものです。
インテルがフラッシュの次の世代の不揮発性メモリ技術として、相変化型半導体メモリの
一種であるOUMを研究開発中であるむねの発表があり、話題となりました。
その相変化型メモリのルーツを探るべく調査を行った際に見つけた
Energy Conversion Devices Inc.(E社)に関する話題が今回の主題です。



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 相(物質の状態)変化で情報を記憶するものとして、CD-RWなどがあります。
相変化型半導体メモリとは、極論すればCD-RWメモリの固体デバイス化とも言えるものです。CD-RWでは、光を用いて読み書きを行うのですが、相変化型半導体メモリではこれを電気信号で行うことが大きな違いとなります。CD-RWが不揮発(書いた情報が消えない)、再書き込み可能という特徴を有するのと同じく、この相変化型半導体メモリもまた、不揮発で再書き込みが可能です。それに加えて稼動部が全くなく、小型化に向くという特徴を持っています。それゆえに将来のフラッシュメモリの置き換えやさらにはハードディスクの置き換えとして期待されているものです。

 まず、E社の全体像について見ていきたいと思います。
E社のメモリ関係特許に注目したとき、その技術起源を年代的に見ていくと、古くは1970年代に遡ります。1984年にピークがあり、1991年に一旦、技術起源特許数が減少しますが、1995年から再び増えてきます。
 筆頭米国分類別集計を見ると、257番:アクティブソリッドステートデバイスや、365番:静的情報記憶、438番:半導体製造プロセスが特許を保有している主な分類項目になります。

 では、時間を遡ってこのE社の技術開発の流れをトレースしてみましょう。
 まず、技術起源が1970年に遡る特許3,983,542では、光で書き込み電気的に読み出すという点をコンセプトにしています。
 4,499,557は技術起源が1979年ですが、アモルファスを用いたワンタイムロムという形で現在の半導体メモリの持つアレイ構造が現れています
 4,597,162は技術起源が1983年ですが、アモルファスの相変化を利用した消去、再書き込み可能なPROMが開示されています。スイッチデバイスとしてはダイオードが用いられています。
 4,646,266(技術起源1984年)では、多層に積み重ねられたプログラマブルメモリが開示されています。これが実現できれば、飛躍的な集積度の向上が可能になります
 5,166,758(技術起源1991年)でとうとうタイトルがそのものずばりである「電気的に消去可能な相変化メモリ」が現れます。
 5,296,716では、1セルに対する多ビット書き込みとさらに大容量化を意識したものになっています。しかしながらこの特許には具体的な書き込み回路などは開示されていないようです。
 5,341,328(技術起源1991年)では、スイッチング電流を抑制することで信頼性を向上させる話が出ています。
 この1991年にはその他の多くの重要な技術が開発されていたようです。

 5,714,768(技術起源1995年)では、ロジックLSIの最上層に相変化メモリを作るという記述があります。これができれば、OSやデータも含めて半導体チップにコンピュータが納まってしまうという時代がくるのかもしれません。

 技術起源が1999年になりますと、相変化メモリのプログラミング方法(6,075,719)なども現れてきます。

 以上、相変化メモリに関する部分だけを拾ってきましたが、このE社では、その他、色々な新しい技術に取り組んできたようです。
 光ディスク関係、太陽電池、イメージ素子、超伝導フィルムデバイス、液晶ディスプレイ関係、などアモルファスや相変化をキーワードとした新規技術の開発が積極的になされていたようです。

 ちなみに発明者別集計をみるとキーエンジニアは8人程度で、総発明者人口がが百数十人程度であることがわかります。夢多き技術者集団を伺わせます。


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  探検隊長より

米国には「いかにもベンチャー」という楽しい会社があるということを実感しました。
また特許出願費用を考えるとそれに出資した人も多くいたのだろうなと考えます。
「知財立国」を考えるとき、多くの示唆が米国特許にあるように思えます。
『頑張ろう、日本!』


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2008.11.19 Wed l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
お勧め度:★★☆☆☆

読もうと思った理由:「技術立国日本」を支えるエンジニアが将来枯渇するのではという危機感があります。エンジニアはいいぞー。楽しいぞー。と鼓舞してくれる本を探しています。
特にPCとかのIT関係以外の分野です。
それで、「エンジニアだからできること」のサブタイトルに惹かれました。

感想:総花的で盛り上がりに欠けた。実務上のヒントは多い

気にいった部分:
P254:「終わり」の章にあったこの一文。
新しいビジネスのネタは文系からは出てこない。」







2008.11.19 Wed l 最近読んだ本 l コメント (0) トラックバック (0) l top
お勧め度:★★★☆☆
読もうと思った理由:サブタイトル「経済大動乱」に引かれて
感想:文章で読むと意外と細切れの話。映像のインパクトは大きいな。
気にいった部分:
●P61:「”余った食”の行方」
●P110:「絶望職場に光を」
●P180:「サブプライムショックの真相



2008.11.19 Wed l 最近読んだ本 l コメント (0) トラックバック (0) l top

 今日は、脳型コンピュータについて調べた結果について報告します。
脳型コンピュータは以前、ニューロコンピュータとして研究されていた分野と多
くの共通点を持ちます。



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 まず、全体の傾向について、 権利者別分類優先年表示を見ていくと、どの企業も技術起源が1990年代前半のものが多いことが分かります。前回の「ニューロブーム」の時のものだと思われます。アプリケーションとして目をひくものとしてレントゲン写真などの解析があります。
 プレーヤーとしては、コンピュータメーカーなどが多いですが、医療機器カメラ関係の企業も見受けられます。

 興味深いものをいくつか見ていきたいと思います。

 コダックからは、「学習できるカメラ」や使用者の「心理状態を把握」するための特許などが出ています。

 DRAMメーカーであるマイクロン社からは歩留まり向上のためにファジーやニューロを用いるという特許が出ています。

 米国陸軍からは、「精神的な決定を推定する方法およびデバイス」なる特許が出ています。視線検知、脳波測定、情報表示を行って意思決定を支援する装置のようです。SFに出てきそうな話ですね。

 IBMからはコンピュータウィルス検知のためにニューロを用いるという特許やジョブスケジューリングに関する特許が出ています。


 今回はある特定の特許群に注目して明細書を見ていきたいと思います。選んだのはIBMの約10件の特許群で、技術起源が1990年に遡るものです。
これらが、1992年から1997年にかけて成立しています。
 特許の題名は「アプリケーションプログラムのためのニューラルネットワーク・シェル」で全て同一です。分割や継続を繰り返して成立させているところから、重要な特許ではないかと推定されます。
 アブストラクトによると、「ニューラルネットワーク・シェルと入出力を行うことによって、いかなるアプリケーションプログラムも、ニューラルネットワーク・アプリケーションプログラムになる」というものだそうです。「ニューラルネットワークモデルが面白くて理論的に強力であるにもかかわらず、それらは柔軟性がなくて使用するのが困難である。」「ニューラルネットワークの知識を有する非常に熟練したプログラマは、1つのニューラルネットワークモデルの機能を取り入れるために専門アプリケーションプログラムを書き込むことを必要とする。」「これは、明らかに好ましくない人および貴重なプログラム・リソースの浪費である。」とのことで、ニューラルネットワークの機能を備えたプログラムを簡易に得るための環境のようです。アプリケーションプログラムとニューラルネットワークモデルの間をつなぐ機能をもつシェル(プログラム実行環境)を提供することを目的としているようです。インターフェースを定義することで、「ニューラルネットワーク・シェルと入出力を行うことによって、いかなるアプリケーションプログラムも、ニューラルネットワーク・アプリケーションプログラムになる。」と断言されています。(す、すばらしい!) 特許群全体での総クレーム数は約90です。開示されている内容は、上層にアプリケーションへのインターフェースがあり、その下の階層にニューラルネットワークユーティリティプログラムがあり、そこでネットワークの定義、生成、学習、実行を行うことができます。
 そのさらに下層にはニューラルネットワークデータ構造があり、そのさらに下層にニューラルネットワークモデルプログラムがありそこで種々のモデルを利用できるようになっています。ちょうど、OSの階層構造に極めて似ています。というか、ニューラルネットワークをサポートしたOSを作ろうとしているかのように見えます。
 アプリケーションを実行する際に、下層の足りないものを順次追加しながら全体としてニューラルネットワーク対応の処理系を自動生成しようとする企てであると思われます。
 今、OSのもつソフトウエアの階層構造がどこか1社の特許となっていたら、すごいことだと思うのですが、ニューラルネットワークという枠組みの中でそれを目指す取り組みだと感じました。

  探検隊長より

ソフトウエアについては門外漢なのですが、昨今のソフトの重要性、ソフトウ
エア特許の重要性、半導体を含むハードウエアとの関係を考えると、ソフトウエ
ア特許もウォッチしていかないといけないなと感じたしだいです。





2008.11.18 Tue l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 今回はカーボンナノチューブについて探検します。
カーボンナノチューブとは炭素でできた非常に小さなチューブで、
直径が数ナノメートルから数十ナノメートルです。ナノ領域のホース
思い浮かべていただければいいと思います。このチューブの中に何かを入れたり
チューブの表面に電子を走らせたりと色々な応用が期待されています。



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 ではまず、権利者別分類、優先年ベース集計を見ていきたいと思います。

 始めにNECから見ていきたいと思います。
カーボンナノチューブはNECの飯島さんと言う方が1991年に発見したものだそうです。カーボンナノチューブの製法、加工方法に関する特許が目立ちます。それ以外では、ナノチューブからなるソレノイドや、カーボンナノチューブに異種物質を閉じ込める方法などが目を引きます。

 次にIBMを見ていきます。IBMでは、カーボンナノチューブの構造をどのように応用するかという特許が多いようです。(局所的な)冷却装置や、ディスプレイのためのカソード関係のものがあります。
 
 3Mからは、発光デバイスに関する冷却のための特許が出ています。
 GM(ジェネラルモータース)では、水素貯蔵に関するものがあります。
 HPからは(クロスバー)スイッチ関係が目を引きます。
 モトローラからは、燃料電池関係や電子放射フィルム関係があります。

 次にベンチャー企業や大学関係を見ていきたいと思います。
 アグレシステムという会社からは、カーボンナノチューブフィルムをパターンニングする方法という特許が出ています。また、触感センサーなる特許も出ています。半導体回路基板から、ナノワイヤがにょきにょきと生えているというイメージのようです。その他、ナノスケールコネクタなる特許も出ています。マイクロスケールのデバイスを接続するときに用いるナノスケールのコネクタのようです。

 カリフォルニア工科大学からは、プローブ関係の特許が目を引きます。
 
 ハイペリオンカタリスト社からはコンデンサ関係の特許が多く出されています。特に、いわゆるケミカルコンデンサにナノファイバーを用いるという点が他では見かけないように思います。

 MITからは、ナノワイヤをアレイ上に配置するための特許が出ています。

 ハーバードからは、走査型プローブ顕微鏡のためのプローブチップに関する特許がでています。


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  探検隊長より

全体の印象としては、製造方法が圧倒的に多く、応用特許はまだまだこれから
ではないかと感じました。特に主たる興味である「(従来)半導体との接点」という視点では、
多くの未開拓分野があるのではないかと思われます。
ベンチャーや大学の技術領域にとらわれない自由な発想と行動力に期待したいと思います。
 例:半導体チップにカーボンナノチューブをふりかけのようにかけたら何かで
きないですか???それとも、ニョキニョキ成長させる?





2008.11.18 Tue l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 第1回目の特許探検隊で、MEMSの調査をお送りしましたが、その中で注目に
価すべきベンチャー企業と思われるものがいくつかありました。
 今回、その中でS社を紹介させていただきます。



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 S社というのは、非常に個人的色彩の強い会社です。S氏と呼ばれる方が創られた研究所です。このS氏のキャリアを筆頭発明者別の分類を通して見ていくと、この方の足跡が見えてきます。

 まず、優先年別表示を用いて技術起源を見ていくと、だいたい1990年頃から活動を開始されているようです。最初の頃は、カメラメーカーC社のオーストラリア法人で働いておられたようです。そして1995年頃に、フィルムメーカーK社に転職されたようです。 その後、1997年前後に自分の名前を介した研究所を会社として設立されました。以上が発明者別の分類集計から推定できることです。

 この人の名前を介した会社を調べてみようと思った動機は、MEMS特許の中で非常に特徴的な動きをしていたからです。インクジェットプリンターの特許で、ここつい最近、2000年、2001年に成立している特許が極めて多く、200件に迫ろうとする勢いです。
 今までいろいろと特許調査を行ってきたのですが、これだけすごい勢いで、特許を成立させている人や企業を見たことがありません。しかも非常に限られた特化した分野に対してです。

 次に筆頭米国分類優先年集計を用いて、この人(この会社)が、どういうことを具体的に取り組んでこられたかということを見て行きたいと思います。
 まず、90年から95年くらいまで(第1期)の仕事というのは、だいたいにおいて、筆頭米国分類345番、コンピューターグラフィックスプロセッシングというコンピュータグラフィックス関係のところに分類されています。そして次に、第2期というのが、95年頃から98年に技術起源を持っている技術なんですが、これは、米国分類216番、エッチングサブストレートのところや、347番インクリメンタルプリンティングというところにもっぱら分類されています。
 それから、米国分類400番、タイプライティングマシンズというところにも入っております。この形からだいたいどのような技術的な流れをたどって来られたかを想像すると、まずコンピュータグラフィックス関係をやられてから、インクジェットプリンターヘッドを対象とした、MEMS関連の活動を開始されたと思われます。そしてそれらの技術を元に、97年頃に自分の名前を入れた会社を起こされた、ということが推定されます。

 では、この自分の名前を冠された会社ができた以降に技術起源を持つ特許にどのようなものがあるかを見て行きたいと思います。

 ほとんどがンクジェットプリンター及び、インクジェットプリンターのヘッドに関する特許や技術です。しかし、非常に細かく、また多肢に渡って特許を成立させておられます。かなりパテントマップを作ってやっているんじゃないかと思うほど、非常に多いです。100件以上です。
 タイトルだけをざっと紹介していきますと、インクジェットプリンターのメカニズムとかアクチュエータの関係、使い捨てデジタルインスタントカメラに関する特許などもあります。
 それから、インクジェットプリンターの製造方法、磁気を用いたものも考えられているようです。ヘッドの構造と、あとそれをどのように使うか、というところまでいろいろな特許を成立させておられます。
 プリンティングのメカニズムについてもあります。マグネトレジスティブ、磁気抵抗効果を使ったインクジェット方式の印字方法というのも散見されます。かなり磁気がキーワードとして持っているものが多いです。
 それから、最近多いのは、マイクロエレクトロメカニカルシステム、最初に言いましたMEMSの技術を用いて、いろいろなヘッドの構成やインクジェットのシャッターなどがあるようです。特に1990年から2000年に関しては、非常にMEMS関係の特許が多く考えられているようです。

 次に発明者別集計を見て行きますと、この人がやられている会社の規模が推定できます。発明人口は、だいたい6名くらいです。そして、そのS氏が筆頭である発明がほとんどです。非常に個人的色彩の強い会社です。

 では、次にこの人の特許の中で、非常に目を引いたものがありまして、それについて紹介していきたいと思います。
その特許は、2001年に成立している特許なんですが、まず、びっくりしたのが図面の数が103図もあり、図面のページだけで何と、A4で77ページもあります。なかなかこんなに図面の多い特許は、見たことがありません。この図面をざっと見て行きますと、MEMS構造を用いたと思われる構成図、断面図などもありますし、あとそれを制御していると思われる回路図もあります。そして、注目したいのは、MEMS構造を用いたインクジェットヘッドをアレイ状に並べた構成が開示されています。普通、プリントヘッドというのは、アレイ状ではなく、横一列に並んでいるだけかな?と思ったのですが、これはそうではなく、極めてアレイ状に並んでおります。そして、アレイの並べ方にも特徴があるようです。斜めに並べてみたり、いろんなアイディアを提示されております。

 この人は、有名なカメラメーカCで働いた後、有名なフィルムメーカKに移られ、そして最後に自分の名前の入った研究所を起こされたわけですが、技術者として考えた場合、面白いというか、感銘を受ける生き方をされているのではないかと思われます。そして、特許を100件、200件と成立させようと思えば、非常に資金力がいります。当然、ベンチャーを設立した時に、出資提供を受けたりされておられるんじゃないかと、想像されます。また、一般のサージエンジンで検索していきますと、有名なフィルムメーカが、この会社に対して研究依頼を出しているような、そんな形跡も窺えます。
 そしてもう一つ注目していることは、97年以降に技術起源を持つ特許を、2001年に、ほとんど一斉にと言っていいくらいに成立させています。これは、特許の原則から言いますと、ちょっと早い。この特許の原則と言うのは、「ブタは肥らせてから食え」というものです。即ち、市場が熟すのに合わせて特許を成立させて行って、そこで市場に対して、特許の権利交渉を行っていくというのが、一つの常套手段になっております。ところが、この人はどちらかと言うと、先に一気に特許を成立させてしまっている、ということになります。これは、ここからは完全な想像なんですが、技術供与とかをして、自分のアイデア(特許)を世の中のいろんな人に使っていってもらいたい、という思いを感じます。いわゆる、特許料だけを請求するんじゃない、何か技術者としての想いを、先ほど言いました103枚の図面などからも感じます。机上の空論ではなく、いろいろ実験などもされているようで、明細書の中には、非常に細かなデータの開示があります。私も技術者のはしくれですので、こういった点でも、非常に感銘を覚えます。



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  探検隊長より

このブログを読んで頂いてる方の中にも、若いエンジニアの方が多くいらっしゃると思うのですが、
世の中には、こういう生き方もあるもんだということを覚えておいて頂ければ、非常に嬉しいです。
 技術者とは、自分の夢を実現できる良い職業であると思います。その実現するた
めの手段として、最後には、自分の会社を作る。いろんな会社で技術を積んで、磨
いて深めて行って、そして最後には、技術を供与するための会社を作る。これは一
つのロマンであると思います。





2008.11.17 Mon l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 量子ドットとは、何でしょうか。量子ドットのドットというのは、
xxxx.netのドット、すなわち点(・)です。点というのは、非常に小さい
領域で、その中にほんの数個の電子しか入らないような、そんな小さな点の領域
です。この時、電子というのは、半導体中を自由に動き回れる電子とはまったく
違った振る舞い
をします。それを用いて役に立つ電子デバイスや役に立つ光半導
体等を開発しようという研究がいろいろな所で行われています。今回は、この量
子ドットが探検のテーマです。



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 今回、探検の対象とするのは量子ドット(qunatum dot)という言葉が全文検索で含まれているものについて、分類集計を行ったデータ(quatum_dot)です。

 まず、最初に、筆頭米国分類優先年ベース集計を見て行きたいと思います。この集計では、出された特許、成立した特許がどの技術分類に分類されたか、量子ドットという考え方がどういう技術分野で重要であるか、いつ頃、そのような研究開発がなされたなどの傾向をみることができます。

 ざっと見て行きますと、目立ちますのは、米国分類250番、放射エネルギー関係、米国分類257番、アクティブソリッドステートデバイスというところに非常に多く分類されています。また、オプティクス関係(359)、コヒーレント光発生関係(372)、半導体製造技術関係(438)が多いです。

 では、その米国分類の中身について見て行きたいと思います。
 成立している特許では、やはり光関係が圧倒的に多そうです。米国分類250番、放射エネルギー関係に分類されているものとしては、ナノクリスタルを用いたリフレクター、ルミネッセンス関係、操作型プローブ顕微鏡、マイクロセンシング等が分類されています。

 次に米国分離257番、アクティブソリッドステートデバイスのところを見て行きます。量子デバイスを用いた出力スイッチや三端子量子デバイス等がこういうところに入っています。量子結合型のROMとういうものも成立しています。その他、量子効果スイッチ、非線形光デバイス関係もここに分類されています。ロジックセル、汎用量子ドット論理セルというのも、ここに入っています。かなり広いデバイス群が含まれています。

 次に多いところを見て行きますと、米国分類483番、半導体デバイス製造技術に関係するところですが、量子井戸の製造方法とか量子細線の話、マスクの話、レーザーの製造方法などがここに含まれています。

 次に、権利者出願人別について見て行きたいと思います。 通常、米国特許ですので、アメリカの企業が多いのですが、この量子ドットデバイスについては、日本企業もかなり目立ちます
 目立つ企業としては、キヤノン、富士通、東芝、NEC、シャープ、ソニー、松下電器がなどがあります。

 権利者別集計では、日本企業に重点を置いて、見て行きたいと思います。
 まず、最初にキヤノンを見て行きます。光検出器関係が多そうです。非線形光デバイスなどもあります。

 次に富士通では光関係が圧倒的に多くて、光半導体メモリー素子というのもあります。ホールバーニングメモリーというメモリーも含まれています。光デバイスもありますが、メモリー関係も目立ちます。

 次に東芝を見ます。ざっと見た感じでは、製造方法というのがかなり目立っています。その他、カンタムドットメモリーセルなども見られます。

 次に松下電器を見て行きます。目立つのは、製造方法、レーザーの製造方法などがあります。目を引くものとしては、「たんぱく質を使用している単一電子トランジスター」というのが出願、成立しています。その他、機能素子の製造方法に関する特許もあるようです。

 次にソニーを見て行きます。製造方法もあるのですが、メモリー関係が多くあります。また、電荷転送素子もあります。

 次にIBM(海外企業)を見て行きます。ざっと見て行きますと、検出器関係、コンピューティングエレメント、演算器、その他、メモリー素子がちょっと目立ちます。また、光関係、発光関係も多いです。変わったものとしては、走査型原子間力プローブを用いた半導体高解像度不純物の導入というのも目を引きます。

 次にテキサスインスルメンツ(TI)もかなりの特許を成立させています。製造がらみの特許、スイッチデバイス、ROM、光空間変調器、量子効果スイッチ、分離セルも出ています。

 次に米国ベンチャー企業で気がついたものを見て行きます。バイオクリスタルという会社があります。検出器や光の平行フィルターといったものを成立させています。

 次にバイオピクセル社というものがあります。ここは、ざっと見て行きますと、バイオという名前が付いているだけあって、DNAがらみの検出器とか検出方法、蛍光標識法などの特許が多いようです。量子ドットをどのように用いているのか興味あるところです。


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  探検隊長より

全体の印象としては、やはり光関係が多いのですが、メモリー関係も、目を引きました。特に単電子デバイスなど将来のメモリーの記憶容量を飛躍的に増大させる可能性がある技術ですので、今後の発展が期待されます。 また、日本メーカーが奮闘しているという印象を受けたのは、非常に喜ばしい限りです。






2008.11.16 Sun l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 今回の特許探検隊のテーマは「SOI」です。
特に、SOI(シリコン・オン・インシュレーター)を使って、
どういうものを開発しようとしているのか、という点について見て行きたいと思います。



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 SOIはSilicon On Insulatorの略で、絶縁物(通常は酸化膜)の上にシリコン半導体層を形成した特殊な基板構造をさします。この構造を何にどのように用いるかが最近の大きなトピックスです。

 「特許は裾野が面白い!」という定理に従って、よく言われているデジタルLSIへの応用等を除いて、変わったものを特に見て行きたいと思います。


ざっと見ますと、やはり1番多いのは、アクティブソリットステートデバイシズ、米国分類番号257番、半導体回路装置、これが圧倒的に多いです。
今回見ていくのは、この多いところではなくて、その裾野に当たる部分、変わった部分を特に見て(探検して)行きたいと思います。

 米国特許分類216番、サブストレートにエッチングするという分類があります。この中で変わったアプリケーションがらみのものを拾って行きたいと思います。
 キャノンなどがマイクロチップ、及びプローブの製造方法を出しています。それからKIONIXという会社がスキャンニングプローブマイクロスコピーというもののためのシリコンプローブというものの特許を成立させています。こういうプローブ関係が多いですね。それからインクジェット関係がコダックから出ています。インクジェットノズルを作る方法です。(ものの本によるとインクジェットノズルから飛び出す、インクの直径は現在100ナノメートル程度らしいのですが、それをさらに10分の1程度、10ナノメートル程度にする取り組みが盛んに行われているそうです。)

 次に米国分類250番、放射エネルギーという分類項目について見て行きたいと思います。まず、最初に目を引きますのは、アメリカNAVYが成立させています高電子増倍管デバイス、というのがあります。高電子増倍管に、SOIを応用するものであると思われます。(夜間戦闘に威力を発揮するのでしょうか?)それに関する特許が数件成立しています。
 温度検知器、熱線検出器に用いるためのコンデンサーに、SOI関連技術を使うという特許が、サンタバーバラリサーチセンターから出願、成立しています。SOIを検出器、熱線や熱イオンの検出器に使うというものも他にもいくつか出ています。

 三菱や米空軍のものもあります。後、SOIを使ったCMOSイメージャーがIBMから出願、成立しています。

 次に米国分類324番、電気関係のところを、応用を中心に見て行きたいと思います。
 ヒューズヤクラフトカンパニーというところから、磁界検出にSOIを用いる特許が出願、成立しています。

 次に米国分類349番、液晶関連のところを見て行きます。COPINという会社から、マトリックスディスプレイシステムズ(液晶のマトリックスでしょうか?)、これにSOIを使うというのが出されています。

 次に米国分類361番、電気関係のところを見て行きます。COPINという会社から、SOIアクチュエイター、マイクロセンサーの特許が出ています。
 フォードモータからは、圧力センサーの特許が出願、成立しています。ロバートセッシュからは、回転速度センサーの製造プロセスに関する特許が出願されています。
 ロックウエルサイエンスセンターから可変同調形コンデンサーに関する特許が出願されています。
 リットンシステムというところからも加速度計が出願されています。

 次に米国分類73番、計測器関係のところを見て行きますと、加速度計関係、圧力センサー、磁界検出器、プローブ技術関係、角速度センサーがデンソーから出ています。
後、そんなに多くないのですが、オプティカルウエブガイドの光導波路関係の特許もいろいろな会社から出願、成立しています。

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  探検隊長より

今回は、SOIの応用について調べてきました。SOIの応用として雑誌などに出ているのは、半導体の高速化とか、低消費電力化という話が多いのですが、それ以外に「SOIを用いて何かをしてやろう!」という会社が、かなりあるということが分かります。 こういう分野は、うまく行けば、オンリーワンになれたりするので、非常に採算性の良いビジネスを展開することが可能になります。
 また特に第1回特許探検隊で報告したMEMS技術との接点が非常に多いものです
SOIとMEMS(微小なマイクロマシン)が非常に相性がいいのではないか、と考えられます。VDECやVSACプロセスでSOI基板が早く使えるようになると、大学関係でも面白いことがたくさんできるのではないかと思えます。あと、MEMSプロセスも欲しいですね。





2008.11.16 Sun l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 今回は、ベンチャービジネスを起こされた方、これから起こそうとされている方に特に読んでいただきたいという想いで原稿を書いています。
テーマは「米国半導体ベンチャーに学ぶ特許大作戦」ということで、メモリーIPプロバイダーであるR社のケースを題材に見ていきます。
素材は主として発明者別、及び筆頭発明者別分類の優先年表示、及び成立年表示です。



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 まず、発明者別の分類の特徴を簡単に述べさせていただきます。
調査期間は2001年までですが、その2001年までの成立特許における発明人口は、約90人です。そのうち筆頭発明人口は約30人余りです。 
その中で非常に特徴的なものは、H氏(大学の先生でもありファウンダーの一人です)の特許です。この方は、優先年表示から判断されるのですが、90年に特許起源を持つ約30余りの特許に関わっておられます。そしてそれ以降、ほとんどR社名義の特許にはかかわってられません。
 そしてそれらの特許は、93年から成立しはじめて、2000年に成立のピークを迎えていることがデータからわかります。
 また特徴としては、この方は、R社名義の特許で、筆頭発明者になっているものは、それほど多くはありません。

 もうひとかた、ファウンダーの方がいらっしゃるのですが、その人は、かなりの特許で筆頭発明者になっておられます。
そして、93年以降、多くの特許が成立しているのですが、ライセンス交渉において、非常に力のあったのは、90年に特許起源を持つ特許分であるという話です。

 彼らの「特許大作戦」を独断で判断しますと、会社設立の動機となったアイディアに特許資力(人、金、物)を集中投資して、弁護士の費用等を払って、継続的にその中から特許の発掘を行なって成立させていると考えます。
 具体的には、明細書の中に書いてあるアイディアなどをどんどんその時々の状況に応じてクレームアップ、すなわち特許請求項にあげていくという作戦を取っています。
この際の私の考える重要な点というのは、「数で圧倒する」ことも大切、という点です。これは、請求項(クレーム)総数が極めて多いと反論するのにもかなりの体力がいるというのが一目でわかり、権利行使をする際に相手に戦意を喪失させるという効果もあるからです。

 ここで、R社から離れ、一般的にIPビジネス(特許を含めたライセンスビジネス)を展開しようとする際の教訓をまとめたいと思います。

.「起業するぞ」と決心させたアイデアを大切にする
   大切にするとは、
 (1)特許として出願する。
 (2)必ず、分割や継続を、繰り返して、常に審査中の出願をキープして、状況の変化に備える。
 (3)出願時には将来のクレームアップ(当初は請求項になかった明細書中のアイデアを請求項
    にすること)に備えて、考えられることを全て明細書中に書いておく。
  などです。

2.ベンチャーとして資金調達ができたら、かなりの金額を特許対策費として確保する
  これは、日本人の場合は、かなり意識してやらないと、日々の忙しさにまぎれて、
  なおざりになりそうな点です。特に、コアとなったアイデアを出した技術者が経営者となる場合は、
  要注意です。慣れない経営のために、弁理士との打ち合わせ時間が十分に取れないことなど、
  ありそうなことです。ちなみに、先ほどのR社の場合は、技術と経営が完全に分離しています。

3.IPベンチャーに理解のあるいい特許事務所と仲良くする



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  探検隊長より

ベンチャービジネスにとって特許は極めて大切なものです。
今後も、ベンチャービジネスの参考となるような情報を発信していきたいと考えています。





2008.11.16 Sun l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 今回は、筆頭米国分類という分類項目を用いて、いくつかの企業の技術開発の
特徴を浮彫りにしてみたいと
思います。



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 分類対象とする特許は、2001年に成立しているものです。それらを筆頭米国分類を縦軸に、技術がどこまで遡るかということを調べた年号を横軸に分類したデータを用いていきます。これを筆頭米国分類優先年ベースというデータ名で呼んでいます。

 まず見ていこうと思っている企業は日本の代表的電機メーカーであるSONYです。
2001年成立分の米国特許の筆頭分類を見ていきたいと思います。
 いくつか目立つ部門があります。まず大きく目立つのは、米国分類の大分類345番のコンピュータグラフィックスプロセッシング関係がかなり多いです。
技術そのものも1990年頃に遡っています。それから当然だと思うのですが、米国分類348番、テレビというところも2001年に成立している特許が多くてしかもその技術起源が90年前後まで遡ってあります。ピークは、技術起源97年頃のものが2001年に続々と成立しています。
 次に米国特許分類369番ダイナミックインフォメーションストレージと言われているもので、これは、磁気記憶装置関係が関係しています。
技術のピークは、1997年前後になります。技術そのものは、1980年頃まで遡った特許が2001年に成立しています。

 次にインテルについて見て行きたいと思います。インテルの筆頭米国分類の大分類をざっと見ていきますと、最も多いのは、712番、711番、713番あたりにあるコンピュータアーキテクチャー及び、それ用のメモリー関係のものです。だいたい技術的には93年頃まで遡ったものが2001年に成立しています。

 次に韓国の代表的なエレクトロニクスメーカであるサムソンについて見て行きたいと思います。サムソンの場合、最も目立つものは、438番、半導体デバイス製造のところが圧倒的に際立って多いです。これは当然、予測できることです。それ以外に、どういうものが目だった動きをしているものがあるかを見ていくと、サムソンがどういうところを目指しているか、ということが浮彫りにできます。それを独断と偏見が入りますが拾って行きたいと思います。
まず、96年くらいに技術の起源を持っているもので、2001年に着々続々と成立している分野として455番テレコミニュケーションがあります。
続いて382番イメージアナリシス画像解析、これは非常に件数が少ないのですが技術起源が90年前後まで遡ったものがポツポツと成立しています。
これは特許発掘を行っている可能性があると思います。後、375番パルスまたはデジタルコミニュケーションという分野も97年に技術起源を持つものがかなりまとまって成立しています。その他、コンピュータグラフィックス関係も97年頃に技術起源を持つものがかなり成立しています。





2008.11.16 Sun l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 MEMSはMicro Electro mechanical systemsの略で、非常に小さな構造を持った機械などをさしています。
これはいわゆる最近話題のナノテクノロジーと呼ばれる技術の入り口に当たるものです。
尚、調査対象は米国特許です。

 では、権利者別の分類集計から興味深いものをいくつかリストアップしていきます。(順不同)

 目立つ会社の1つとしてアナログデバイスという会社があります。
これは、アナログの半導体デバイスではかなり有名な会社です。その中で、結構面白いものがあります。
その1つにマイクロマシンドジャイロというものがあります。
 これはアブストラクトを見ていると、まさにマイクロマシン微細加工技術を用いて作ったジャイロスコープのようです。

 次にご紹介しますのは、マイクロメカニカルシステムを使った加速度計関係がアライドシグナルインクという会社から出ています。96年くらいまでさかのぼっています。

 カリフォルニア工科大学もいくつか成立させています。フォログラム関係、薄膜エレクトロニクスホンプ、分析機器関係、それからアクチュエータ、リレー等があります。なかなか多彩です。

 次に目立つのは、コーネルリサーチファウンデーションから出ているものがあります。これは、マイクロメカニカルシステムを作るためのプロセスおよびその装置関連にかなりいろいろな特許を成立させているようです。また加速度計関係も散見されます。

 次に目立つ会社としては、カメラやフィルムで有名なイーストマンコダックがあります。

 イーストマンコダックは、光変調機、格子デバイス、メカニカルグレイティングデバイス、等、光関係のものが多いです。

 意外なところでは、フォード自動車からも、MEMS関連の特許が出願成立しているようですが、マイクロモータデバイス関係を体系的にやっているような気がします。

 フォードモータの特許を見ていると、運動を感知するためのセンサーもかなり出ています。

 次にジェネラルエレクトリックGEについて見ていきます。GEではスイッチ関係が多いです。フォトニックスイッチ、交換機用と思われるコンタクトスイッチ等もMEMSで開発しようとしているのでしょうか。

 次にHP(ヒューレットパッカード)を見ていきます。HPの場合は、プロセス特許、シリコンマイクロストラクチャーをいかにつくるか。それから、ヘッドドライブ関係があります。クロモトグラフィー等、計測関係もあります。プリンター関係もいくつかあります。プリントヘッド、インクジェット関係です。

 次に日立を見ていきます。日立の場合は、まず目についたのが化学分析装置があります。光学関係、スキャニングプロブマイクロスコープ、走査型プローブ顕微鏡(STM)です。

 次はハネウエルという会社を見ていきます。超小型のコンプのような特許もあります。ステッパーのモーターのような特許も出ています。あとはリレイ関係のものもあります。マイクロアクチュエーター、マイクロサーマルクーラー等、面白そうなものがあります。ディスプレイ関係もあります。

続いてルーセントテクノロジーのものを見ていきます。プロセス関係、ファイバー関係も多いようです。光関係、メカニカルオプティカルデバイス、光を組み合わせたような特許もいくつか出ています。スイッチ関係も多いです。

 会社名にMEMSが入っている、MEMSオプティカルインクという会社があります。まさにMEMSとオプトを組み合わせたあたりにいくつかの特許を出しています。マイクロレンズ関係、シャッター関係もあります。

 次はマサチューセッツ工科大学MITを見ていきます。マイクロモーター、マイクロモーター等を作るための製造プロセス、センサーおよび、センサー関係があります。

 DRAMで有名なマイクロンテクノロジーもかなりの件数を出しています。リソ関係とフラットパネルデイスプレイっぽいものも結構あります。

 次は通信で有名なモトローラを見ていきます。マイクロエレクトリカルスイッチが目立ちます。R/F高周波スイッチ関係が多いです。

 次にナショナルセミコンダクターを見ていきます。リソデータ、共振器関係、トランスデューサーが何件か出ています。

 サンディオコーポレーション、ここは化学と組み合わせた特許を出しています。面白そうな会社です。

 次はシルバーブロック研究所から非常に多くのインクジェットプリンター関係の特許が出ています。
 次にTRWという会社です。MEMSを用いた共振器、スイッチ関係R/Fスイッチ関係が多いです。
 次は、DSPで有名なTI(テキサスインスルメンツ)です。TIにはデジタルミラーデバイス(DMD)という技術があるのですが、さすがにこれに関係したプロセスがらみの特許が多くあります。しかし、注目するものとしてはR/Fスイッチもかなりあります。TIはアナログも強いですからこの辺に注力しているのかもしれません。

 次はカリフォルニア大学を見ていきます。ここもなかなか多彩です。センサー、遺伝子関係、プロティンコントロールシンセシスもあります。アクチュエーター、ジャイロスコープ、センサー製造方法、光学スイッチ(結構多い)。なかなか豊富にやってます。

 次にミシガン大学、製造方法、どうやってMEMS構造を作るか!という特許が目立ちます。後、センサー関係、共振器。
 次は米国政府の空軍、マイクロミラー関係、光スイッチ、アンテナ関係。
 次に海軍からは、センサが多いでしょうか。MEMSモーショントランスレーション、モーションセンサー、等が結構あります。 陸軍は、リッチセンサー、スイッチ回路、スイッチデバイス関係が多いです。

 次にウイスコンシンリサーチファウンデーションではマイクロエレクトリカル、MEMSデバイスの製造方法が多いです。X線リソグラフィーに関係した特許も出ています。

 次はゼロックスです。MEMSミラー関係、プリンター関係、流体制御関係、マイクロレンズ関係分光系、モノシリックスペクトルフォトメイター(一体化された分光系でしょうか)、MEMSミラーのコントロール関係、セルフポジショニングミラストラクチャー、マイクロデバイスをダイシングするための方法、特許等があります。


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  探検隊長より

今回、MEMS関係の特許を企業中心に見てきましたが、非常に多岐に渡っていることがわかりました。
またプレイヤーも非常に多く非常にユニークな取り組みがなされています
特にアメリカの大学が盛んなような気がしました。
後、アメリカ政府、軍関係の特許が結構ありました。非常に面白い調査対象であったと思います。


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2008.11.16 Sun l 特許探検隊分室 l コメント (0) トラックバック (0) l top
はじめまして。門 伝也(もん でんや)です。

私は、エンジニアですが、「科学技術ジャーナリスト」を目指しています。

まずは、自己紹介を兼ねて、
以前、「セルボニクス特許探検隊」として、メルマガで発信していた記事を載せて行きます。
ご覧いただけましたら幸いです。



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