何事にも、虫の視線と鳥の視線の使い分けが重要だ。
前回までは、特定の米国特許にこだわってみてきた。
今回からは、一旦、視線をずっと引いて、全体像を見ていこうと思う。
調査対象は、802.11という用語を明細書中に含む米国特許群だ。
802.11という規格を多少なりとも意識して書かれているものたちだ。
調査対象件数は約7000件だ。
802.11という用語が明細書に現れるのは、技術起源年ベースで1990年ごろからのようだ。
それが2000年あたりから一気に件数爆発する。そのころから、多くの技術者が、自分の発明と、無線LAN規格との関係を意識し始めたと言える。
まずは、譲受人(権利者)ベースでの特許件数の多い企業を見ていくこととしよう。
1: Broadcom 約400件
2:インテル 約320件
3:マイクロソフト 約280件
4:シスコ 約200件
5:モトローラ 約200件
6:IBM 約160件
7:ノキア 約150件
8:Symbol Technologies 約140件
9:TI 約130件
10:HP 約100件
といった具合だ。さもありなんというメンバーだ。
ただ、Symbol Technologiesについてはあまり聞いたことがなかったので、検索をしてみた。
http://www.symbol.co.jp/ を見るとモトローラの関連企業のようだ。
バーコードリーダーなどの業務用機器を扱っている。
さて、どんな調査でも同じだとは思うが実は「特許は裾野が面白い」のだ。
件数のピークを山頂とすれば、1合目あたりだろうか?
そのあたりに目を引くものがあったりする。
権利者ベースの山頂は400件だ。だとすれば、1合目は40件あたりだろうか?
データを見ていくと、
GM: 約35件
があったりする。これらの特許のタイトルを眺めていると、「自動車とどう関係するんだろう?」と思えるものが多々ある。
GM再編でこれらの特許の行方が気になるところだ。
なお、GMには燃料電池関係の特許も色々とあることを指摘しておこう。
また、
Autocell Laboratories 約40件 も裾野にいる。
これを検索してみると、
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/8730.html
のページがヒットした。
それによると、
AutoCell とはスループットの向上を図る技術のようだ。
IPR Licensing Inc 約30件
名称からすると、特許管理会社だろうか?
さて、君はどういう人だ??
<<続く>>
解析中間データを筆者が管理するポータルサイトに置きました。
また、本稿をブログサイトにも載せています。
門 伝也 (もん でんや)