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●燃料電池今昔物語


 今回は、燃料電池関係について見ていきたいと思います。

 データ入り口はここです。
ここで、まず、Assignee分析、優先年表示を見ていきます。
これは、横軸が技術起源年をあらわしています。
いつ頃、どの企業が燃料電池開発にアクティブであったかが、わかります。

 アポロ宇宙船のエネルギー源として使われたというだけあって、
プレイヤーも多く、しかも1980年以前からの活動があったようです。
これでは、あまりに多すぎて全貌が把握できないので、上位20社程度をまとめてみました。

 これを見ていると面白いことに気が付きます。おおまかに3つのグループがあります。

1:1980年前半にピークがあるグループ
Energy Research Corporation
Hitachi Ltd
Mitsubishi Denki
United Technologies Corporation

2:1990年前後にピークがあるグループ
Fuji Electric
Institute of Gas Technology
International Fuel Cells
Kabushiki Kaisha Toshiba
NGK Insulators

3:最近にピークがあるグループ
Ballard Power Systems
General Motors
Honda Giken Kogyo
Matsushita Electric
Plug Power
Siemens Westinghouse Power
Toyota Jidosha
となります。

ここで、過去にピークがあった
United Technologies Corporationについて詳しく見ていきたいと思います。

さてUnited Technologies Corporationの燃料電池はどうなってしまったのでしょうか?
この会社自身は現在も存在していてしかもかなり大きな会社です。だとしたら考えられることは、
(1)事業部か子会社を作った?
(2)事業部門ごと売却した?

 そこで、探検です。まず、United Technologiesの発明者をリストアップします。
約60人の発明者がいることがわかりました。
それらの発明者がなした特許をもとの全体母集団から抽出します。そして、その和集合を権利者別に集計します。
 過去にUnited Technologiresにいた技術者たちが、今も燃料電池関係の現役発明者として仕事をしているとしたらどこにいるかを、このデータから読み取ることができます。

 これを見ると、United_Technologiesの発明者が大部分、まず、International Fuel Cellsに移って、
次にUTC Fuel Cellsに移っていることがわかります。
こういう場合はたいていが社名変更です。

 検索エンジンで検索するとUnited Technologiesのホームページはhttp://www.utc.com/ であることがわかります。
燃料電池関係のホームページは http://www.utcfuelcells.com/whoweare/ourcompany.shtml と思われます。
 これらの情報から、United_Technologiesの燃料電池部門はまずInterlational Fuel Cellsという名称になって、次にUTC Fuel Cellsになったようです。

 これらの情報は上場企業の場合は、http://www.sec.gov/のデータベースから確認することもできるのですが、資料が膨大なためなかなか困難です。

 ベンチャー企業など上場前の企業の場合、こういうデータベースにも登録されていませんし、その歴史を追いかけることはなかなか困難なのですが、このように発明者に注目してトレースすると比較的容易にわかることがあります。

 もちろん、スピンアウトやヘッドハンティングの状況も見えてきます。

 今回は、個別の依頼に対して用いるツールを使って分析してみました。

 特許情報は、先行技術調査以外にも色々と用いることができます。
その性格上、WEBで公開できないものも多々あります。

門 伝也

ブログサイトにも載せました。
また、
米国特許調査、解析ポータルサイトもよろしくお願いします。



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2008.12.17 Wed l CNET連動企画 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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