工科大学、大学の米国特許調査を行っている。
総母集団が5万件を超える大物の調査だ。
あまりに大きく、広い分野に渡るので、米国分類を用いて
群1:バイオ、化学、医療
群2:材料
群3:計測、電気
群4:コンピュータ、通信
群5:半導体
の5つの分野に分けて見て行っている。
全体の傾向としては、誰もが知っている米国有力大学が4校、いずれの分野にも入っている。それに加えて、分野に応じて、1校か、2校、それらの4校に食い入る形で存在感のある大学がある。
さて、米国特許なんだから、米国の大学が上位を占めていてあたりまえ。
誰もがそう思うだろう。それはその通りで、実際にそうなっている。そこで、米国以外の大学の米国特許の取得状況も国別に整理している。
それを見ると、いずれの分野においても、母国語が英語の国が強い。
言語の壁は存在すると感じる。英語圏の国を除くと、日本はそれほど悪いポジションではない。しかし、極端に強いとも思えない。
例えば、群1:バイオ、化学、医療の分野では、イスラエルが日本の強力なライバルと言えそうだ。
群2:材料関係では、日本のポジションは非英語圏では高いと言える。
嬉しいことだ。
群4:コンピュータ通信分野における、非英語圏ライバル国は、韓国、台湾だ。韓国の大学関係特許は、多重通信分野で件数的に日本を引き離している。台湾のそれは、光ファイバー関係で日本を追い上げている。
群5:半導体分野での日本のライバルはやはり台湾だ。ただ、その戦いの舞台は、企業が主戦場とするシリコン半導体ではなく、化合物半導体や、光デバイスであるようだ。
最後に番外編としてナノテクノロジーについても調べている。
これは、米国分類の大分類に977:ナノテクノロジーというのがあり、この分類項目に属する特許に関するものだ。
それを見ると、件数的な日本の非英語圏ライバルは台湾や中国だ。
日本は、スキャン型顕微鏡が目立つのだが、中国勢は、カーボンナノチューブに関するものが多い。ポストシリコン研究だろうか?
続く
門 伝也(もん でんや)
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